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第十章 ダンジョンマスター
第2話 ダンジョンマスター①
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とりあえず、少し食べたのでお腹は満たされたため。
次の階層に行こうと、入り口を探したんだけど……見つからなかった。
これまで、守護ゴーレムを倒したら現れたのに……その手順が間違っていたのだろうか?? たしかに、守護ゴーレムから出来た結晶を採取したり、食べちゃったりはしちゃったけど……。
(そのせい……??)
もしかして、僕ら閉じ込められちゃった!!?
元来た階層の廊下もいつのまにか……消えちゃっているし。
「……こりゃぁ」
一番経験豊富のジェフさんでさえ、うなっちゃうんだから絶対絶命かもしれない!!
「じぇ、ジェフさん!! この状況は……!!」
僕が情け無い声で聞けば、彼は僕を馬鹿にすることなく……頭を軽く撫でてくれた。
「大丈夫だ。こいつは……ラスボスのお出ましかもしんねぇ」
「へ? ラスボス??」
誰が? 何が?? と首を傾げていると……マシュさんから声が上がった。
「なんですのぉおお!!?」
振り返れば、マシュさんが何故か結晶となって消えたはずの……守護ゴーレムのようなのに捕まっていた!!?
「マシュさん!!?」
「嬢ちゃん!! ちっくしょ、人質のつもりか!!?」
僕らが駆け寄ろうにも、普通に跳んでも届かない高さまで……ゴーレムがマシュさんを持ち上げてしまった。
ここから攻撃しようにも……ジェフさんはともかく、経験が底辺な僕じゃ全然無理だ。せめて、マシュさんを掴んでいるゴーレムの手が外れれば……と思っていると、マシュさんと一緒にいたはずの……クダウサギが、ゴーレムの頭の上に乗っていた。
ただ、何もせず……マシュさんを助けようともしていない。
【良くここまで来たのぉ、童共よ】
フランツのテレパシーじゃない。
フランツは黙ったままだし、ジェフさんの聖槍さんでもない。
もっと歳を重ねた……女の人のような声だった。
クダウサギが僕らを見下ろすように、首を動かした後……ゴーレムの上で軽く宙返りをしたら。
【……この姿を取るのも、いつ振りじゃ?】
女の人、だった。
人間の女の人のように見えるけど、手は四本あるし……服装も見たこともない布を重ねたような感じ。
手のひとつに管煙草を持ち、優雅に笑いながらふかしている。そのひとつの仕草だけで、たいていの男の人なら虜になるだろうが。
僕には、そんな感情が出てこなかった。
「ほぉ~……? あんた、ダンジョンマスターか??」
僕が聞く前に、ジェフさんがあの人の正体を見破ったのか。少し楽しそうに質問していた。
すると、あの人は嬉しそうに煙草の煙をゆっくりと吐いた。
【いかにも。妾はこのダンジョンの管理者。名は特にない】
「んで? なんで俺らといた?? つーか、二階層前からクダウサギに化けてまで接触してきた?」
【……からじゃ】
「「は??」」
【お主らが美味そうな馳走を食していたからじゃ!!? あのパンも美味かったが、何を食らっていたのじゃ!!】
ちょっとだけ、真剣な話し合いになっていたのに……ダンジョンマスターさんの表情が急に人間らしくなって。
まるで、子供のように駄々をこねられたため……もがいていたマシュさんもポカーンとするくらい驚いた。
次の階層に行こうと、入り口を探したんだけど……見つからなかった。
これまで、守護ゴーレムを倒したら現れたのに……その手順が間違っていたのだろうか?? たしかに、守護ゴーレムから出来た結晶を採取したり、食べちゃったりはしちゃったけど……。
(そのせい……??)
もしかして、僕ら閉じ込められちゃった!!?
元来た階層の廊下もいつのまにか……消えちゃっているし。
「……こりゃぁ」
一番経験豊富のジェフさんでさえ、うなっちゃうんだから絶対絶命かもしれない!!
「じぇ、ジェフさん!! この状況は……!!」
僕が情け無い声で聞けば、彼は僕を馬鹿にすることなく……頭を軽く撫でてくれた。
「大丈夫だ。こいつは……ラスボスのお出ましかもしんねぇ」
「へ? ラスボス??」
誰が? 何が?? と首を傾げていると……マシュさんから声が上がった。
「なんですのぉおお!!?」
振り返れば、マシュさんが何故か結晶となって消えたはずの……守護ゴーレムのようなのに捕まっていた!!?
「マシュさん!!?」
「嬢ちゃん!! ちっくしょ、人質のつもりか!!?」
僕らが駆け寄ろうにも、普通に跳んでも届かない高さまで……ゴーレムがマシュさんを持ち上げてしまった。
ここから攻撃しようにも……ジェフさんはともかく、経験が底辺な僕じゃ全然無理だ。せめて、マシュさんを掴んでいるゴーレムの手が外れれば……と思っていると、マシュさんと一緒にいたはずの……クダウサギが、ゴーレムの頭の上に乗っていた。
ただ、何もせず……マシュさんを助けようともしていない。
【良くここまで来たのぉ、童共よ】
フランツのテレパシーじゃない。
フランツは黙ったままだし、ジェフさんの聖槍さんでもない。
もっと歳を重ねた……女の人のような声だった。
クダウサギが僕らを見下ろすように、首を動かした後……ゴーレムの上で軽く宙返りをしたら。
【……この姿を取るのも、いつ振りじゃ?】
女の人、だった。
人間の女の人のように見えるけど、手は四本あるし……服装も見たこともない布を重ねたような感じ。
手のひとつに管煙草を持ち、優雅に笑いながらふかしている。そのひとつの仕草だけで、たいていの男の人なら虜になるだろうが。
僕には、そんな感情が出てこなかった。
「ほぉ~……? あんた、ダンジョンマスターか??」
僕が聞く前に、ジェフさんがあの人の正体を見破ったのか。少し楽しそうに質問していた。
すると、あの人は嬉しそうに煙草の煙をゆっくりと吐いた。
【いかにも。妾はこのダンジョンの管理者。名は特にない】
「んで? なんで俺らといた?? つーか、二階層前からクダウサギに化けてまで接触してきた?」
【……からじゃ】
「「は??」」
【お主らが美味そうな馳走を食していたからじゃ!!? あのパンも美味かったが、何を食らっていたのじゃ!!】
ちょっとだけ、真剣な話し合いになっていたのに……ダンジョンマスターさんの表情が急に人間らしくなって。
まるで、子供のように駄々をこねられたため……もがいていたマシュさんもポカーンとするくらい驚いた。
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