46 / 100
第十章 ダンジョンマスター
第1話『雪砂糖のラスク』
しおりを挟む
せっかく、揚げたパンを……溶かした雪砂糖の鍋に入れて、しっかりと絡めていく。パンがくたくたになるかと思えば、そんなことにはならなかった。
【引き上げてみぃ?】
フランツからの指示通りに、トングで上げてみれば……つやつやキラキラ!? 綺麗に輝いているパンが出来上がったのだ。
「綺麗……」
ちょっと食べるのがもったいない気がしたけど……
まずは味見だ。
ひと通り、バットの上に絡めたパンを入れていき……鍋の中身が溶かした結晶以外無くなったら、ひとつ手に取る。
ちょっとだけ熱かったけど、軽く息を吹きかけてから口に入れてみる。
カリ、ポリ!!
しっかりと揚げた、パンのカリカリは維持されたまま。
そこに、ちょっと飴のように絡んだ雪砂糖の溶けたものが……少しだけ乾いて、ポリっと砕けて。
甘さは特に加えていないのに、結晶の甘味で十分。
カリポリと言う食感がとても良くて……やめられない止まらない!!
次、次……と口に入れて行ったら、フランツの思念体でゲンコツをお見舞いされちゃった。大きい衝撃じゃないから、ジェフさんじゃないのはわかっていた。
【夢中になんのはわかるが、兄ちゃん達の分も食おうとすんなや!!】
『……ごめん』
しかし、このラスクってお菓子……凄いんじゃないだろうか??
結晶を使わなくても、普通の砂糖をまぶすだけでもいいかもしれない。フランツに聞けば、『そうや』と答えてくれた。
【味付けも砂糖以外色々あるで~? 粉末とか、溶かしたもんの方が相性ええけど】
とりあえず、ジェフさん達も結晶集めが終わったみたいだから、ラスクのお披露目となりました!!
「お待たせ致しました!!」
お皿の上に、それぞれ取り分けて差し出せば……当然、ジェフさんとマシュさんはわからないので説明することにした。
「薄くスライスしたパンを揚げて、結晶を溶かしたのに絡めたお菓子です。少し乾いているので、手でも大丈夫ですよ?」
「そんじゃ!」
「いただきますの!!」
『きゅぅうううう!!』
クダウサギの分も一応用意してあげたので……それぞれ口にして、味見の時と同じような咀嚼音が響くと……マシュさんもだが、ジェフさんもそれはそれは夢中になって、ラスクを食べていった。
「美味しいですのぉお!!」
「うんま!? 食感もだが、揚げたパンも良い!! トラディス、やるじゃねぇか!!」
「い、いえ……」
作ったのは僕だけど、教えてくれたのはフランツだ。
ジェフさんには言えても、マシュさんがいるからそれは言えない。とりあえず、わざと照れておくことにした。
『きゅうぅう、きゅぅうううう!!』
クダウサギも気に入ってくれたのか、ぽりぽり食べながら鳴き声を上げた。雑食なのは知っていたけど……なんでも食べて良いのかな??
「おかわり!」
「ですの!!」
すぐにおふたりとも完食はしてくださったんですが……。
「あ、あの。もう材料が……」
油とかパンは、こっそりフランツが補充出来ても、溶かした結晶はもう鍋にほとんどない。
採取した結晶は、ギルドに持って行く予定だから……これ以上はダメだ。
それを伝えると……わかりやすいくらいに、おふたりともガッカリしてしまいました。
【引き上げてみぃ?】
フランツからの指示通りに、トングで上げてみれば……つやつやキラキラ!? 綺麗に輝いているパンが出来上がったのだ。
「綺麗……」
ちょっと食べるのがもったいない気がしたけど……
まずは味見だ。
ひと通り、バットの上に絡めたパンを入れていき……鍋の中身が溶かした結晶以外無くなったら、ひとつ手に取る。
ちょっとだけ熱かったけど、軽く息を吹きかけてから口に入れてみる。
カリ、ポリ!!
しっかりと揚げた、パンのカリカリは維持されたまま。
そこに、ちょっと飴のように絡んだ雪砂糖の溶けたものが……少しだけ乾いて、ポリっと砕けて。
甘さは特に加えていないのに、結晶の甘味で十分。
カリポリと言う食感がとても良くて……やめられない止まらない!!
次、次……と口に入れて行ったら、フランツの思念体でゲンコツをお見舞いされちゃった。大きい衝撃じゃないから、ジェフさんじゃないのはわかっていた。
【夢中になんのはわかるが、兄ちゃん達の分も食おうとすんなや!!】
『……ごめん』
しかし、このラスクってお菓子……凄いんじゃないだろうか??
結晶を使わなくても、普通の砂糖をまぶすだけでもいいかもしれない。フランツに聞けば、『そうや』と答えてくれた。
【味付けも砂糖以外色々あるで~? 粉末とか、溶かしたもんの方が相性ええけど】
とりあえず、ジェフさん達も結晶集めが終わったみたいだから、ラスクのお披露目となりました!!
「お待たせ致しました!!」
お皿の上に、それぞれ取り分けて差し出せば……当然、ジェフさんとマシュさんはわからないので説明することにした。
「薄くスライスしたパンを揚げて、結晶を溶かしたのに絡めたお菓子です。少し乾いているので、手でも大丈夫ですよ?」
「そんじゃ!」
「いただきますの!!」
『きゅぅうううう!!』
クダウサギの分も一応用意してあげたので……それぞれ口にして、味見の時と同じような咀嚼音が響くと……マシュさんもだが、ジェフさんもそれはそれは夢中になって、ラスクを食べていった。
「美味しいですのぉお!!」
「うんま!? 食感もだが、揚げたパンも良い!! トラディス、やるじゃねぇか!!」
「い、いえ……」
作ったのは僕だけど、教えてくれたのはフランツだ。
ジェフさんには言えても、マシュさんがいるからそれは言えない。とりあえず、わざと照れておくことにした。
『きゅうぅう、きゅぅうううう!!』
クダウサギも気に入ってくれたのか、ぽりぽり食べながら鳴き声を上げた。雑食なのは知っていたけど……なんでも食べて良いのかな??
「おかわり!」
「ですの!!」
すぐにおふたりとも完食はしてくださったんですが……。
「あ、あの。もう材料が……」
油とかパンは、こっそりフランツが補充出来ても、溶かした結晶はもう鍋にほとんどない。
採取した結晶は、ギルドに持って行く予定だから……これ以上はダメだ。
それを伝えると……わかりやすいくらいに、おふたりともガッカリしてしまいました。
10
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双
さこゼロ
ファンタジー
突然、異世界に転生召喚された4人の少年少女たち。儀式を行った者たちに言われるがまま、手に持っていたスマホのアプリを起動させる。
ある者は聖騎士の剣と盾、
ある者は聖女のローブ、
それぞれのスマホからアイテムが出現する。
そんな中、ひとりの少年のスマホには、画面にカメラアプリが起動しただけ。
ハズレ者として追放されたこの少年は、これからどうなるのでしょうか…
if分岐の続編として、
「帰還した勇者を護るため、今度は私が転移します!」を公開しています(^^)

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる