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第九章 不可思議な罠達④
第4話 食べれる結晶②
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甘い。
ざらっとしていたけど、すぐに舌の上にサーっと甘さが広がっていく。
けど、砂糖をそのまま舐めたような、嫌な甘さじゃない。飴のような、蜂蜜のような……とっても優しい甘味。
ついつい、ぺろぺろ舐めていくのが止まらなくなり……もっと欲しいと、持っていた結晶の塊を口に頬張る。べき、ばきっと歯で噛み砕く感触も心地よい。こんなお菓子……あのパーティーにいた時もだけど、孤児院時代もほとんどなかったから嬉しい!!
夢中でバリボリ食べて……飲み込んだ時の喉の奥を通っていく感じも悪くない。すーっと溶けて、サラッと胃に行く感じ。
「美味しいですぅ」
どう言う理屈でこの結晶が出来たかはわからないが、とにかく美味しい。
マシュさんの方も、ぽりぽりと口に頬張らずにかじっていたしね??
「美味しいですの!」
「だろ? たまーに、魔素が一定以上蓄積すると。人間でも食える魔素の結晶になんだ。雪砂糖の場合は、色が青っぽいんだぜ?」
「……と言うと、他にもあるんですか??」
「俺はまだこいつくらいしか遭遇してねぇが……珍味なもんとか色々あるらしいぞ」
ただ、何故ここでこの結晶が出来たのか。
思い当たるとすれば……と、ジェフさんとマシュさんに振り返ると……マシュさんは流石に理解したのか、小さく舌を出していた。
「……ですの」
「まあ、悪いことじゃねぇぜ? 天然じゃねぇが、偶発的に出来た結晶だ。採取すれば、ギルドは喜ぶぞ?? 取引値もなかなかなもんだ」
「これ……全部は」
いくら、魔法鞄があっても容量が足りないと思う。僕はフランツの亜空間収納があるから……やろうと思えば出来るが、ジェフさんはともかく、マシュさんの前で披露は出来ない。
すると、フランツからテレパシーが届いてきた。
【結晶のあらかたは、聖槍はんと協力すれば収納に入る。残りは加工しようや??】
『かこう??』
【菓子にしてしまえばええねん!】
『どうやって??』
【……うーん。ワイのパンも使って、ラスクはどうや??】
『美味しいの??』
【揚げもんやけど、一度食えばやみつき間違いなしや】
と言うことを、こっそりジェフさんに耳打ちすると……すぐに聖槍さんを振るって、大半の結晶を亜空間収納に入れてしまった。
「まあ! 凄いですの!!」
マシュさんが驚いている間に、僕もフランツに頼んで結晶を亜空間収納に入れてしまう。
残りは、フランツの言うラスクってお菓子にするために……かまどをみっつ作って、揚げ鍋もふたつ。油はどう言う理屈で出来たかわかんないけど、フランツが綺麗な油を大量に亜空間収納から出してくれた。
残りひとつのかまどには、結晶を溶かす用のお鍋を置く。青い結晶をフランツで細かく砕き(いいのかと聞いたら、構わないと答えてくれた)……ゆっくりと火にかけて溶かしていく。
蜂蜜みたいなどろっとした感じになれば、結晶の方は大丈夫なんだってさ。
ざらっとしていたけど、すぐに舌の上にサーっと甘さが広がっていく。
けど、砂糖をそのまま舐めたような、嫌な甘さじゃない。飴のような、蜂蜜のような……とっても優しい甘味。
ついつい、ぺろぺろ舐めていくのが止まらなくなり……もっと欲しいと、持っていた結晶の塊を口に頬張る。べき、ばきっと歯で噛み砕く感触も心地よい。こんなお菓子……あのパーティーにいた時もだけど、孤児院時代もほとんどなかったから嬉しい!!
夢中でバリボリ食べて……飲み込んだ時の喉の奥を通っていく感じも悪くない。すーっと溶けて、サラッと胃に行く感じ。
「美味しいですぅ」
どう言う理屈でこの結晶が出来たかはわからないが、とにかく美味しい。
マシュさんの方も、ぽりぽりと口に頬張らずにかじっていたしね??
「美味しいですの!」
「だろ? たまーに、魔素が一定以上蓄積すると。人間でも食える魔素の結晶になんだ。雪砂糖の場合は、色が青っぽいんだぜ?」
「……と言うと、他にもあるんですか??」
「俺はまだこいつくらいしか遭遇してねぇが……珍味なもんとか色々あるらしいぞ」
ただ、何故ここでこの結晶が出来たのか。
思い当たるとすれば……と、ジェフさんとマシュさんに振り返ると……マシュさんは流石に理解したのか、小さく舌を出していた。
「……ですの」
「まあ、悪いことじゃねぇぜ? 天然じゃねぇが、偶発的に出来た結晶だ。採取すれば、ギルドは喜ぶぞ?? 取引値もなかなかなもんだ」
「これ……全部は」
いくら、魔法鞄があっても容量が足りないと思う。僕はフランツの亜空間収納があるから……やろうと思えば出来るが、ジェフさんはともかく、マシュさんの前で披露は出来ない。
すると、フランツからテレパシーが届いてきた。
【結晶のあらかたは、聖槍はんと協力すれば収納に入る。残りは加工しようや??】
『かこう??』
【菓子にしてしまえばええねん!】
『どうやって??』
【……うーん。ワイのパンも使って、ラスクはどうや??】
『美味しいの??』
【揚げもんやけど、一度食えばやみつき間違いなしや】
と言うことを、こっそりジェフさんに耳打ちすると……すぐに聖槍さんを振るって、大半の結晶を亜空間収納に入れてしまった。
「まあ! 凄いですの!!」
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残りは、フランツの言うラスクってお菓子にするために……かまどをみっつ作って、揚げ鍋もふたつ。油はどう言う理屈で出来たかわかんないけど、フランツが綺麗な油を大量に亜空間収納から出してくれた。
残りひとつのかまどには、結晶を溶かす用のお鍋を置く。青い結晶をフランツで細かく砕き(いいのかと聞いたら、構わないと答えてくれた)……ゆっくりと火にかけて溶かしていく。
蜂蜜みたいなどろっとした感じになれば、結晶の方は大丈夫なんだってさ。
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