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第八章 不可思議な罠達③
第1話 聖槍の技
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僕が見つけた……と言うか、ジェフさんが壊した壁が通路になった場所。
クイズを解決した後に、動かなくなったゴーレムの後ろに見えた不思議な通路。明るいわけではないが、暗い通路はきっと出口に向けて繋がっていると思う。
フランツも特に、テレパシーで教えてくれる感じもないから。
「行きますの!」
ジェフさんに叱られたけれど、やる気は取り戻したマシュさんがメイスを握り直して通路に向かおうとしていた。
罠は特にないようだけど、陣形は同じにしようとジェフさんが先に。僕がマシュさんの後ろを守るのは変わらない。
中に入ると、洞窟とは違って……暗いのに、妙に明るいと言う不思議な造りだった。自然発生したダンジョンではないとは言っても、ダンジョン核次第でこんなにも違うのか。
フランツが刺さっていた、あの最下層とも全然違う。
マシュさんが魔導具の材料を取りに来たいと単身で乗り込もうとしたくらい……ここは魅力的だ。
攻略はちょっと大変だけど……正直言うと、楽しい。
以前のパーティーに居た頃……最初の頃はともかく、後の方で奴隷扱いされていた時に比べたら、充実したダンジョン攻略だ。
僕のランクや経験をとやかく言わないおふたりもだけど……こんなにも、冒険者らしい生活を送れるだなんて。
とりあえず、通路でモンスターやゴーレムとかち合うことはなく……ジェフさんが、それらしい場所を見つけると三人で抜け出した。
「……お?」
「まあ!?」
ふたりが声を上げたので前を見れば……上の階層にも居た、守護ゴーレムが待ち構えていた。
僕がまた……とフランツを握って構えようとしたら、ジェフさんが僕の前に立った。
「今度は俺にやらせてくれ」
それと、僕はマシュさんの護衛としてしっかり守れとも言われたので……僕はわかったとマシュさんの前に立つ。
ジェフさんはひとりで攻撃しようとしているゴーレムの前に立つと、背負っていた聖槍を軽く回して……剣のように構えた。
距離がそこそこあるのに、何をするのだろうか??
【ほーん? おもろい技見れそうやんなぁ??】
テレパシーで、フランツが興味ありげに僕に語りかけてきた。と言うことは、これはきちんと見ておくべきだ。
ランクはC止まりにさせていても、この屈強な冒険者は超絶有名な戦士なのだから。
マシュさんにも意識を向けながら、ジェフさんを見ていると……紫の聖槍が淡く光り始めた??
「……第、三の突き」
技か何かを使うのか。ジェフさんが言葉を口にしたのだ。
そして、言葉に合わせて構えを少しずつ変えていく。
「青蓮!!」
大きく言葉を発した直後。
ちゃんと見ていたはずなのに、僕は一瞬の出来事を目で追えていなかった。
ジェフさんが強く聖槍を前に繰り出しただけで……いや、なんか魔法みたいな技が出たかな?? とにかく、守護ゴーレムの頭部が綺麗さっぱりなくなってしまったのだ。
「うわぁ……」
【目に見えん、高速の突きかぁ? にいちゃんやるなあ??】
「すごいですの!!」
頭部を失ったゴーレムが倒れるのを見ながら、僕らはジェフさんの実力を褒めちぎったのだ。
クイズを解決した後に、動かなくなったゴーレムの後ろに見えた不思議な通路。明るいわけではないが、暗い通路はきっと出口に向けて繋がっていると思う。
フランツも特に、テレパシーで教えてくれる感じもないから。
「行きますの!」
ジェフさんに叱られたけれど、やる気は取り戻したマシュさんがメイスを握り直して通路に向かおうとしていた。
罠は特にないようだけど、陣形は同じにしようとジェフさんが先に。僕がマシュさんの後ろを守るのは変わらない。
中に入ると、洞窟とは違って……暗いのに、妙に明るいと言う不思議な造りだった。自然発生したダンジョンではないとは言っても、ダンジョン核次第でこんなにも違うのか。
フランツが刺さっていた、あの最下層とも全然違う。
マシュさんが魔導具の材料を取りに来たいと単身で乗り込もうとしたくらい……ここは魅力的だ。
攻略はちょっと大変だけど……正直言うと、楽しい。
以前のパーティーに居た頃……最初の頃はともかく、後の方で奴隷扱いされていた時に比べたら、充実したダンジョン攻略だ。
僕のランクや経験をとやかく言わないおふたりもだけど……こんなにも、冒険者らしい生活を送れるだなんて。
とりあえず、通路でモンスターやゴーレムとかち合うことはなく……ジェフさんが、それらしい場所を見つけると三人で抜け出した。
「……お?」
「まあ!?」
ふたりが声を上げたので前を見れば……上の階層にも居た、守護ゴーレムが待ち構えていた。
僕がまた……とフランツを握って構えようとしたら、ジェフさんが僕の前に立った。
「今度は俺にやらせてくれ」
それと、僕はマシュさんの護衛としてしっかり守れとも言われたので……僕はわかったとマシュさんの前に立つ。
ジェフさんはひとりで攻撃しようとしているゴーレムの前に立つと、背負っていた聖槍を軽く回して……剣のように構えた。
距離がそこそこあるのに、何をするのだろうか??
【ほーん? おもろい技見れそうやんなぁ??】
テレパシーで、フランツが興味ありげに僕に語りかけてきた。と言うことは、これはきちんと見ておくべきだ。
ランクはC止まりにさせていても、この屈強な冒険者は超絶有名な戦士なのだから。
マシュさんにも意識を向けながら、ジェフさんを見ていると……紫の聖槍が淡く光り始めた??
「……第、三の突き」
技か何かを使うのか。ジェフさんが言葉を口にしたのだ。
そして、言葉に合わせて構えを少しずつ変えていく。
「青蓮!!」
大きく言葉を発した直後。
ちゃんと見ていたはずなのに、僕は一瞬の出来事を目で追えていなかった。
ジェフさんが強く聖槍を前に繰り出しただけで……いや、なんか魔法みたいな技が出たかな?? とにかく、守護ゴーレムの頭部が綺麗さっぱりなくなってしまったのだ。
「うわぁ……」
【目に見えん、高速の突きかぁ? にいちゃんやるなあ??】
「すごいですの!!」
頭部を失ったゴーレムが倒れるのを見ながら、僕らはジェフさんの実力を褒めちぎったのだ。
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