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第六章 不可思議な罠達①

第3話 第二の……前に

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 次のゴーレムに行くまでの道のりは……下の階層に移動してかららしい。

 マシュさんの情報によると、地下5階くらいまであって……守護するゴーレムを倒せば、次の階層に移動出来る入り口が出現するんだって。

 それはジェフさんが見つけてくれて、倒れたゴーレムの体の後ろにあった。


「次ですの!」

「俺が前に行く。トラディスは後ろ頼んだ」

「はい!」


 僕らは一列に並びながら、階段を降りていく。うっすら灯りがあるせいか、降りていくのも怖く感じない。そして、先に行ったふたりが階層に降りたと思ったら、またマシュさんが嬉しそうな声を上げた。


「素敵ですの~~!!」


 僕も降りている途中から気づいた。

 また真っ白い壁だけど、真っ直ぐに続いているわけじゃない。

 上から見ていたけど、あちこちに行き止まりや進む道が入り組んでいる……つまりは、迷路。

 迷宮だなんて行ったことはないけど……多分、近いかも??

 とんでもなく広い迷路が階層全体に広がっていたのだ。


「広いな? こりゃ……ひとりじゃ、気が滅入るぜ」


 ジェフさんは冷静に分析している。さすがだと思わずにいられない。その後に、マシュさんを落ち着かせるのにぽんぽんと頭を撫でていたけど。


「素晴らしいですの!」

「わーったから、落ち着け?」

「ここは……単純に正解の道を選ぶんでしょうか??」

「……あのアナウンスは聞こえねぇが」


 となると、三人で迷路をクリアすれば良いのかな??

 最後に、多分出てでくるゴーレムを倒せば良いのかな??

 とりあえず、行こうと僕が言おうとした途端。



 キュゥルウルルル……。



 僕とジェフさんじゃなくて、マシュさんから可愛らしい音が聞こえてきた。


「……恥ずかしいですのぉ」


 振り返れば、顔が真っ赤っか。

 腕をお腹に当てていたので、だいたいは理解出来た。


「……お腹、空いたんですか?」

「……楽しみ過ぎて、朝食を控えめにしてしまったんですの」

「はっは!! ま、迷路入る前で良かったじゃねぇか? 腹ごしらえでもするか??」

「……お弁当、忘れてしまったんですの」

「おいおい……俺は平気だが、食材とかそんな持ってねぇぞ??」

「あ、じゃあ!! 僕が作ります!!」


 昨日まで、フランツと練習した炊事の成果を今ここに!!

 フランツは『よっしゃ』とテレパシーで返事をしてくれたので、僕はジェフさんにかまどの準備だけお願いしてからおコメの準備に取り掛かった。


「コメ……か??」


 ジェフさんは食べ慣れていないのか、準備をしている時に首をひねっていた。


「湯気が立ったら、火を弱めて……水気がなくなるまで煮るんです」

「これだけで食うわけじゃないんだろ??」

「はい。今から上に載せる具材を用意します」

「ほーん??」

「お腹空きますの……」

「あ、じゃあ」


 待ってもらっている間に。僕が、最初にフランツから食べさせてもらった、チーズを使ったパンを食べてもらうと。

 マシュさんもだが、ジェフさんも『美味い!!』と声を上げたのでした。
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