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第二章 フランスパンが魔剣?
第4話 ここから冒険者②
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どう言うことだろうか??
びっくりして、けど口には出さずにフランツへテレパシーを送った!!
『フランツ?! どう言うこと!!?』
【せやから、大丈夫言ったやろ?】
『なにが!?』
【おもろいんで黙ってたんやけど、適合者やないとワイの姿は……ちょぉかっこいい魔剣にしか見えへん】
『今の僕は!?』
【おもろいから、同調させとる】
面白いって何!?
ほんと、この知性のある武器は意味わかんないことするんだから!! 僕の緊張とかを返して!!
「……なるほど、魔剣が。これをどちらで??」
「えっと……クリキット近くのダンジョンで」
僕が虐待されていたことは黙っておこうとすると……ギルドマスターのエクレアさんはいきなり僕の頭を優しく撫でてくれた。
「となると。何かしらの理由でこの魔剣を取りに行かされた。それが為せたが、パーティーにはいたくないと抜け出してきたんですね?」
「……はい」
大まかには間違っていないので、頷くとエクレアさんは大きくため息を吐いた。
「駆け出しの頃はともかく、経験を積むとあのゴロツキのように怠惰な精神を育ててしまう……。君の才能は眠っていただけなのに、見向きもしなかったとは」
「? 眠っていた??」
僕が聞くと、エクレアさんが苦笑いした。
「カードを見せてくれませんか?」
「? はい」
フードを外し、首から下げていた冒険者カードをエクレアさんに見せた。すると、またため息を吐いてから僕にカードの表面を見せてくる。
「ここ、見てください」
指を向けた箇所は、レベルが表記しているところ。そこが一桁だったはずなのに……今は三桁。三桁!?
「え……??」
「おそらくですが、魔剣を所持したことで……内側の魔力などが増幅。加えて、これまでの経験値が加算された。だから、君本来のレベルに到達したんです」
「じゃあ……僕?」
「ご自分を最弱とかお思いでしたでしょうが、実際は違いますよ?」
「…………そっか」
そうなんだ……と、足の力が抜けて、床に座り込んでしまう前に……エクレアさんが手を貸してくれてソファにまた座った。
「この魔剣は君のもの以外にはならないはず。ですが、君の力量はまだまだ未知数。クリキットのダンジョンだけではまだ本領発揮とはいかないでしょう。これまでの経験も踏まえて……このギルドで再スタートしませんか? 冒険者の手習いも兼ねて」
「……いいんですか?」
「もちろんです。正しい道標を教えるのも、私達ギルドの職員の仕事でもありますから」
「! ありがとうございます!!」
全部真実を話したわけじゃないのに、このエルフさんは僕を馬鹿にすることなく、冒険者への再スタートを助けてくれると言ってくださった。
とりあえず、講習などは明日にして、今日は宿を探してから軽く採取依頼をこなしてみなさいと言われたため、お言葉に甘えることに。
【あのエルフの兄ちゃん、普通に見えたけど足悪いんやなあ?】
宿を見つけてひと休みしようとベッドに乗ったら、フランツがエクレアさんのことを教えてくれた。
「そうなの?」
【日常には問題ないよーやけど、戦闘には無理やろ。むしろ、杖使わんとよー歩ける思うたくらいや】
「……そうなんだ」
あんないい人でも、何かあったかもしれない。
少しでも手助け出来ればなーと、僕は軽く休んでからフランツをまた背負い、街を出た。
びっくりして、けど口には出さずにフランツへテレパシーを送った!!
『フランツ?! どう言うこと!!?』
【せやから、大丈夫言ったやろ?】
『なにが!?』
【おもろいんで黙ってたんやけど、適合者やないとワイの姿は……ちょぉかっこいい魔剣にしか見えへん】
『今の僕は!?』
【おもろいから、同調させとる】
面白いって何!?
ほんと、この知性のある武器は意味わかんないことするんだから!! 僕の緊張とかを返して!!
「……なるほど、魔剣が。これをどちらで??」
「えっと……クリキット近くのダンジョンで」
僕が虐待されていたことは黙っておこうとすると……ギルドマスターのエクレアさんはいきなり僕の頭を優しく撫でてくれた。
「となると。何かしらの理由でこの魔剣を取りに行かされた。それが為せたが、パーティーにはいたくないと抜け出してきたんですね?」
「……はい」
大まかには間違っていないので、頷くとエクレアさんは大きくため息を吐いた。
「駆け出しの頃はともかく、経験を積むとあのゴロツキのように怠惰な精神を育ててしまう……。君の才能は眠っていただけなのに、見向きもしなかったとは」
「? 眠っていた??」
僕が聞くと、エクレアさんが苦笑いした。
「カードを見せてくれませんか?」
「? はい」
フードを外し、首から下げていた冒険者カードをエクレアさんに見せた。すると、またため息を吐いてから僕にカードの表面を見せてくる。
「ここ、見てください」
指を向けた箇所は、レベルが表記しているところ。そこが一桁だったはずなのに……今は三桁。三桁!?
「え……??」
「おそらくですが、魔剣を所持したことで……内側の魔力などが増幅。加えて、これまでの経験値が加算された。だから、君本来のレベルに到達したんです」
「じゃあ……僕?」
「ご自分を最弱とかお思いでしたでしょうが、実際は違いますよ?」
「…………そっか」
そうなんだ……と、足の力が抜けて、床に座り込んでしまう前に……エクレアさんが手を貸してくれてソファにまた座った。
「この魔剣は君のもの以外にはならないはず。ですが、君の力量はまだまだ未知数。クリキットのダンジョンだけではまだ本領発揮とはいかないでしょう。これまでの経験も踏まえて……このギルドで再スタートしませんか? 冒険者の手習いも兼ねて」
「……いいんですか?」
「もちろんです。正しい道標を教えるのも、私達ギルドの職員の仕事でもありますから」
「! ありがとうございます!!」
全部真実を話したわけじゃないのに、このエルフさんは僕を馬鹿にすることなく、冒険者への再スタートを助けてくれると言ってくださった。
とりあえず、講習などは明日にして、今日は宿を探してから軽く採取依頼をこなしてみなさいと言われたため、お言葉に甘えることに。
【あのエルフの兄ちゃん、普通に見えたけど足悪いんやなあ?】
宿を見つけてひと休みしようとベッドに乗ったら、フランツがエクレアさんのことを教えてくれた。
「そうなの?」
【日常には問題ないよーやけど、戦闘には無理やろ。むしろ、杖使わんとよー歩ける思うたくらいや】
「……そうなんだ」
あんないい人でも、何かあったかもしれない。
少しでも手助け出来ればなーと、僕は軽く休んでからフランツをまた背負い、街を出た。
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