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第571話 師匠は頑張ってた
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けど、出来たからにはお師匠さんのところに持って行こう。
リトくんはお家に帰ってもらい、ルカリアちゃんもリトくんを送ってから自宅に帰ってもらった。
スバルの警護とかは、ラティストがここ最近グレードアップした結界を張ってくれたこともあって、売り上げだけでなく大事な材料だったりオープンキッチンだったり……狙う人たちはまだまだ多いからね。用心にこしたことはないって言うし。
僕がスイン。ラティストがカウルを抱っこして、お師匠さんの住居兼工房に向かう。途中、常連さんとかが挨拶しに来てくれたこともあったが、エリーちゃんがお仕事終わりだったみたいで偶然会えたことは嬉しかった。
事情も話したので、並んで歩いているとあっという間に到達した。
「…………なんなんだ、このポーションパンは」
けど、お師匠さんが差し入れに作ったフィッシュバーガーのバージョンアップを鑑定したあとに、何故かエリーちゃんも含めて正座させられたのです。
「…………スインは使っていませんよ?」
「それでもだ。色々規格外過ぎる!!」
「……食べません?」
「食べるに決まってるだろう!? このような飯テロ!!」
「……ケント。飯テロってなに?」
「とても美味しそうな光景……とかかな?」
拒否はしないことは嬉しく思ったけど、お師匠さんとしては複雑なのだろう。エディに渡したスイン印のポーションパンほどまではいかなくても、バージョンアップしすぎだからね? このフィッシュバーガー。
お師匠さんは僕たちは適当に座ってていいからと、ジェイドにお茶を頼んでいる間に空腹に勝てないからとフィッシュバーガーを食べ出した。効能が発揮されたのか、物凄く光っていく。
「サクサクふんわりのフライに、酸っぱすぎない濃厚なタルタルソース!! バンズも香ばしくて美味い!!」
「ありがとうございます」
絶賛の嵐は嬉しいけど、お師匠さん無茶し過ぎたのかな? こんなにもポーションの効果が出るってことはその表れだから。
「ちょうど良かったよ。例のポーションの完成間近だけど、魔力の回復がヴィンクスのポーションじゃ効率悪くて」
ジェイドはお師匠さんのところに来てから、どんどんお茶の淹れ方がうまくなったらしく、今日のミルクティーもふんわり甘くて美味しい。お師匠さんは、ポーションパンを食べるからとブラックコーヒーを頼んだそうだけど。
「出来上がるの?」
「あとちょっとかな。ケントからスインの涙を提供してくれたおかげで、割とスムーズだったし」
『私?』
「ああ。君が? はじめましてー」
『スイン、です』
「本当に意思のある魔導具だね」
ジェイドが抱っこしたいと言ったので渡してあげれば、スインは大人しく抱っこされた。相手に悪意がなければ、スインは基本的に人懐っこいからね?
リトくんはお家に帰ってもらい、ルカリアちゃんもリトくんを送ってから自宅に帰ってもらった。
スバルの警護とかは、ラティストがここ最近グレードアップした結界を張ってくれたこともあって、売り上げだけでなく大事な材料だったりオープンキッチンだったり……狙う人たちはまだまだ多いからね。用心にこしたことはないって言うし。
僕がスイン。ラティストがカウルを抱っこして、お師匠さんの住居兼工房に向かう。途中、常連さんとかが挨拶しに来てくれたこともあったが、エリーちゃんがお仕事終わりだったみたいで偶然会えたことは嬉しかった。
事情も話したので、並んで歩いているとあっという間に到達した。
「…………なんなんだ、このポーションパンは」
けど、お師匠さんが差し入れに作ったフィッシュバーガーのバージョンアップを鑑定したあとに、何故かエリーちゃんも含めて正座させられたのです。
「…………スインは使っていませんよ?」
「それでもだ。色々規格外過ぎる!!」
「……食べません?」
「食べるに決まってるだろう!? このような飯テロ!!」
「……ケント。飯テロってなに?」
「とても美味しそうな光景……とかかな?」
拒否はしないことは嬉しく思ったけど、お師匠さんとしては複雑なのだろう。エディに渡したスイン印のポーションパンほどまではいかなくても、バージョンアップしすぎだからね? このフィッシュバーガー。
お師匠さんは僕たちは適当に座ってていいからと、ジェイドにお茶を頼んでいる間に空腹に勝てないからとフィッシュバーガーを食べ出した。効能が発揮されたのか、物凄く光っていく。
「サクサクふんわりのフライに、酸っぱすぎない濃厚なタルタルソース!! バンズも香ばしくて美味い!!」
「ありがとうございます」
絶賛の嵐は嬉しいけど、お師匠さん無茶し過ぎたのかな? こんなにもポーションの効果が出るってことはその表れだから。
「ちょうど良かったよ。例のポーションの完成間近だけど、魔力の回復がヴィンクスのポーションじゃ効率悪くて」
ジェイドはお師匠さんのところに来てから、どんどんお茶の淹れ方がうまくなったらしく、今日のミルクティーもふんわり甘くて美味しい。お師匠さんは、ポーションパンを食べるからとブラックコーヒーを頼んだそうだけど。
「出来上がるの?」
「あとちょっとかな。ケントからスインの涙を提供してくれたおかげで、割とスムーズだったし」
『私?』
「ああ。君が? はじめましてー」
『スイン、です』
「本当に意思のある魔導具だね」
ジェイドが抱っこしたいと言ったので渡してあげれば、スインは大人しく抱っこされた。相手に悪意がなければ、スインは基本的に人懐っこいからね?
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