スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第565話 健康について

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「……………………は?」


 エディに例のクロワッサンたちを見てもらいに、お城から来てもらったんだけど……鑑定結果を目にしたら、目が点になったんだ。


「……嘘じゃないよ」

「…………マジかよ!?」


 時間差で驚いて、思わずひっくり返るのも無理ないよね? エディは感情豊かだからそこがとにかくわかりやすい。

 リリアちゃんとの結婚式もあるし、そこは最近とにかく目立ってきた。そっちは一旦置いておいて。



「オークションにも出せないから……これはエディに見て決めてもらおうってお師匠さんたちが」

「いや、それは正解だ。下手すると、これは最上級ポーションのエリクサー並みに価値がある」

「エリクサー?」

「万能薬って言えばいいか? ケントのポーションパンもものによっては近いが、エリクサーはさらに上とされている」

「へぇ? お師匠さんが作れそう」

「レイアへのポーションがまさにそれだ。異世界にはないんだったな?」

「ないね~」


 そんな万能薬があったら、大病で苦しんでいる人たちの病気がたちまちに治って……寿命とかも色々変わっていくだろう。

 それはともかくとして、一個気になることがあった。


「エディ、この世界の寿命って低いの?」

「あ? どうした?」

「いや、ポーションの需要が低いって聞いていたから……今更だけど、なんとなく気になって」

「まあ、そうだな。ポーションの出回りは悪いが薬の需要はそこまでじゃない。だから、平均寿命は男女ともに70前後だな」

「低い!?」

「は? なんで?」

「僕のいた世界だと……少なくとも、85くらいあったよ!?」

「マジで!?」


 それでも医療技術と薬の発展もあって90以上も少なくないとエディに伝えたら、さらに驚かれたんだけど。


「ちなみに普通の人間だよ」

「エルフやドワーフじゃねぇの!?」

「薬学もだけど、健康意識が高い国だったからね」

「……ケントやヴィンクスの知識を全土に広めたら」

「寿命……伸びちゃうね」

「これは一大事業にしてもいいぞ」

「神様は僕に寿命も変えてほしいのに、ここへ転生させたのかな?」

「ないとは言い切れんな」


 ラティストがまたお説教に行ったらしいけど、イケメン神様はスインが加わってのポーションパンは一切関与してないと言っていたんだって。

 じゃあ、スインは僕の収納魔法に入れておいたことで、本当にレア度高めなスーパー魔導具になっちゃったと言うわけか。

 これは、ますますスインを狙おうとするおバカな人たちが続出しそうだ。店番には最強カップルがいるからとりあえず大丈夫だけど……僕も気をつけなくちゃ。

 クロワッサンサンドたちについては、エディが全部持ち帰ってから魔法研究の実験に使うことになった。リリアちゃんも参加させて、どれほど精度が高いか試してみるんだって。

 夫婦になるけど、稽古についてはまだだったからちょうどいいんだって。怪我しないといいけど……強い二人だから心配は無用かな?
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