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第559話 関西弁もリアクション
しおりを挟む「……なんやて?」
リオーネに戻ってから、マーベラスさんの工房にお邪魔したのですが。
お引越しされて、そこそこしか経っていないはずなのにまあまあ汚れている場所になっていた。まあ、そこは個人の自由なので良い。
そこはいいんだけど……マーベラスさんにスインのことを伝えると、当然口があんぐりしてしまったわけで。
「えっと……どーしてか、意思を持っちゃったんです」
「ま……マジで?! 俺また生命体を精製してしまったん!?」
どうやら、クラウンさんが言っていた通りに……マーベラスさんのとんでもチート技能は本物だったみたい。しかも前科有りみたいな言い方だけど。
『私、スイン! 主の魔導具!』
「意識精製までしてしまったん!?」
「しかも、ご飯も食べられます」
「はぁ!?」
どんがらがっしゃーんって、ひっくり返るのが関西弁話している人の特権? あんまり違和感ないや……。
「マーベラス殿のリアクションはさておき。手足こそないが生命体そのものと言っていいか。おまけに攻撃手段としては、ケントを守らんとするために容赦がない」
お師匠さんも一緒に来てくれたので、スインとは今日が初対面。抱っこされても、僕と敵対しない人物だからとスインは大人しくしていた。
『スイン、いい子?』
「ああ、主人をきちんと守護する手段でもあるからな。ラティストたちが対応出来ない箇所を是非とも補ってくれ」
『うん!』
「理解力あり過ぎやろ。……今までの奴らの中で一番ちゃう?」
「おそらくだが、ケントの収納魔法に入れ続けたことで主人の魔力に馴染んだのだろう」
「さっすが異世界ですね~」
そんな便利機能で生命が出来ちゃうだなんて、異世界ファンタジーの王道だね。とりあえず、スインは僕の攻撃手段以外はマスコットとして生活することになった。
カウルはポーションパン製造関係で店の表になかなか出られないから、レジ横で『ありがとうございましたー』って言うだけ。
最初はびっくりされたけど、うちのお客さんたちは順応が早いからすぐに和む存在として受け入れてもらえた。つぶらな瞳がキュートだから、子どもとかには『かわいい』って言ってもらいながら抱っこされたりも。
スインは相手から敵意を感じなきゃ、そう言うのも受け入れているようだ。だから、それもお礼って伝えるときちんと相手に返してたりするように。
けどまあ、こんな凄い魔導具を作れるのは……さすがはマーベラスさんっていうのが一番だけどね!
「あ~……陛下や先王陛下もご存知やったら、まーた注文増えそう」
「頑張られるしかない」
「そないに煽らんで!? シリカゲルの改良に時間使いたいのに!!」
「え? まだ改良してくれているんですか?」
「使い回しに火を使うのも面倒やろ? 生活魔法程度でうまく反応してリフレッシュさせようと」
「おお……」
生命体製造もだけど、そっちの使い勝手がよくなるのはありがたい。やっぱり、魔法ってすごいや。
僕もポーションパンの改良とか考えないとね!
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