スライムからパンを作ろう！〜そのパンは全てポーションだけど、絶品！！〜

第550話 弟子の仕事ぶり

　お茶会用のポーションパン。

　菓子パンだけでもいいけど、せっかくならお惣菜パンも作りたい。エディがとっても大好きだし、クラウンさんたちもそっちをメインに購入してくださったから。

　何を作ろうか、少し悩んでいると今日はお仕事に来てくれていたリトくんに呼ばれたんだ。


「ししょー、卵つぶせましたー」

「うん、ありがとう。じゃあ、サンドイッチ作ろうか？」

「はい！」


　リトくんに任せられる範囲のものを少しでも増やそうと、仕込みの一部を練習させている。火を使うのは、主にフレンチトーストだけど。最近はサンドイッチのフィリング作りもお願いしているんだ。

　今お願いしているのは、シンプルな卵サンド。以前のゆで卵をそのままにしたサンドイッチはちょっとお休み。

　あれは大人じゃないと切るのが難しいからね。


「じゃあ、まず。柔らかくしておいたバターを塗ろうか」

「はい」


　オープンキッチンの使い方も教えるためにも、家電なども使ってもらっている。カウルじゃない家電でレンジがあるから、リトくんにはよく使わせているんだ。主に、自分のための飲み物とかでココアだったりホットミルクを作る時とかに。

　同じようにバターを柔らかくさせてくれてたから、バターナイフでゆっくり塗ってもらい……枚数分出来上がったら、次は水気を切ったレタスを一枚。

　シンプルに卵フィリングだけでもいいが、野菜も適度に入れると美味しいんだよね？　こっちの新鮮野菜はすごく美味しいから。

　フィリングはレタスを載せない方にたっぷり塗って、レタスの方を持ってそっと被せる。

　これを二組、重ねてからガーゼ布で丁寧にくるむ。

　ラップが望ましいけど、リトくんに全部打ち明ける年頃になるまでは家でも作りやすい方法で作るようにしている。オープンキッチンとカウルで十分規格外だけど、それはそれだ。

　全部完了してからは片付けをさせる。これも仕事のうちだから、ちゃんとさせるようにしています。


「ゆっくりからでいいからね」

「はい」


　寝かせが十分になったら、カッティングもやらせてあげる。波刃包丁も危険だけど、何もやらせないのも良くない。見守りがいれば、少しは保険にもなるからと僕が側にいることが多いんだ。

　師匠として、可能な限りは弟子の成長への手助けはしたい。

　ゆっくり切っていく様子を確認しつつ、アドバイスもしていけば。多少は不恰好だけど、アナウンスもきちんとポーションパンに出来たとお知らせがあった。リトくんにもステータスは見えるから、やったとはしゃいだ。


「よし。今日はこれをお昼ごはんにしよう。ラティストたちにも食べてもらってから、次に作るのはお店に出そうか？」

「はい！」


　ポーションパンが作れるからって、いきなりお店に出すわけにはいかないからね？　試作の出来が良くても、従業員の意見も聞かなくちゃだから。

　味もだけど、商品として成立しなくちゃいけないのもとても大事。

　専門学校でもだが、バイトとかでもそういうのは教わったからね。