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第544話 尾行調査終わり
しおりを挟む『さすが、ルカリアちゃん。ナイスフォロー』
『そうね。この調子なら、リリアさんも大丈夫だと思うわ』
聞き耳を立てながら、壁向こうの会話をエリーと慎重に聞き取り……僕らはちょっとはしゃいでいた。
リリアちゃんにはちょっと消極的な場面もあったが、ルカリアちゃんがチャンスはいくらでもあると言ってくれたおかげで声とかに少し力が戻ってきたんだ。
可愛くない自分に見向きもされないとガッカリしてたらしいからね。ルカリアちゃんのフォローで、ちょっとでも持ち直してくれて何よりだ。
『なんか楽しそうだな』
「そりゃ、もちろん……え?」
エリーの返事にしては変に声が低いな、と振り返ったら……赤い魔法蝶が飛んでた。見覚えがあるし、今の声はエディに間違いない!!
「あら、陛下?」
エリーはこの魔法蝶を見るのが初めてだから、ちょっと驚いていた。
『おう。俺は城に居るが、遠隔操作で状況把握が出来る特別製だ。んで? 店休んでリリアらを尾行してたのか?』
「……君を応援したいからだよ」
『それはわかっているが、君らしくない行動だな』
「初めてじゃないよ? シェリーやジェフさんの時もちょっとね」
『ふむ。……で、あっちはどう言ってたんだ?』
「陛下。今飛ばしてきたばかりですか?」
『おう。たった今だ。これには書状も添えているからそれを渡すついでだが』
「「おお」」
と言うことは、リリアちゃんのお見合いをちゃんと申し込む準備が出来たのかな?
わざわざこの魔法蝶を飛ばすってことは、その段階まで出来たってことだし。
「今行くの?」
『……そのつもりだが。なんか俺について言ってたか?』
「めちゃくちゃ言ってたけど……自分で確かめたら?」
『そう言うとこがケントらしいな。さすが俺のマブダチ』
「いってらっしゃい」
僕が手を振れば、エディの魔法蝶はすいーっと隣の個室に飛んで行き……すぐに『きゃっ!』ってリリアちゃんらしい可愛い声聞こえてきた。
エリーと聞き逃さないように聞き耳を立てれば、小さな声だけど『お、受け……します』って声が聞こえてきた!!
エディ、やるじゃんと僕とエリーはハイタッチしたよ。
「ここまでくれば、あたしたちはお暇しない?」
「そうだね。まだお休みあるし……ちゃんとデートしよか?」
「いいわね」
お店を出てからは、手を繋いでリオーネをぐるっと回りながらのデートを楽しむことにした。外野はこれ以上突っ込む必要ないし、報告はルカリアちゃんが明日にでも教えてくれるだろうから。
外に出たら、まだまだ外は暑い。夏も終わりに近いけど、ポーションパンの種類もさっぱりしたものはもうちょっと続けようと決めたよ。
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