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第542話 尾行の続き

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 ルカリアちゃんたちはカフェで個室を選んだけど、ちょうど横の個室が空いてたので僕とエリーはそこに入った。

 注文の声が聞こえるくらい、防音とかはないから筒抜けだけど今回は有難い。僕とエリーが尾行調査してまで来た意味がないからね。


『どんな内容かしら?』

『しっかり聞こうね』


 けど、カフェに来たので僕らもお茶しないわけにはいかないから、しっかり注文したけど。

 待っている間に、向こうの注文が届いたようで……ルカリアちゃんが話題を切り出していた。


「リリア。まどろっこしい言い方はやめますわ。未だに、陛下を想っていらっしゃるのです?」


 マジで直球で聞いているね!? ルカリアちゃんらしいけど、リリアちゃんはどう答えるだろうか??

 位置的に、僕の席の向こう側がリリアちゃんぽいけど……リリアちゃんは、しばらく黙っているのか何も話さない。ルカリアちゃんは催促の言葉はかけないくらい、リリアちゃんの返事を待っていた。

 さあさあ、どうなるか?


「……ええ。昔と……変わらず」


 おっとぉ!? リリアちゃんの本音がちゃんと出た!!

 エリーに振り返り、小さく僕らはタッチをしたのだった。


「やはりですのね? あれだけ熱心に稽古へのお願いをされていましたもの。そこは昔のままでしたし」

「……そうしないと。見向きもされないと思って」

「外見は変わりましたのに、中身は相変わらずなのですね?」

「ルカリアに先を越されると思うと……勢い余って」

「せっかく陛下が気にかけてくださいましたのに、そこは外見通りにお淑やかにいきませんこと?」

『ルカリアさん、ズバズバ聞くのね?』

『お嬢様だけど、頭の回転早いし会計の方もすんごい手際いいんだよ』

『それはすごいわね』


 でも、そんなルカリアちゃんのおかげでどんどん聞きたいことは聞けているから、僕らとしてはエディへのフォロー材料になるんだけど。


「す、素敵過ぎて……あの体格の良さを改めて目にすると」

「王として鍛えられていらっしゃいますし、そこは当然ですが。あなたの好みにぴったりハマったのですね?」

「……ええ」

『エディが聞いたら大喜びだろうなあ』

『陛下もそんなに惚れちゃったの?』

『うん。口あんぐりしてぽけっとするくらい』


 リリアちゃんの本心知ったら、即プロポーズしそうな勢いもありそう。エディもエディでなかなかに行動派だからね。今頃、リリアちゃんのご実家にアポ取してお見合いとか組んでいるのかな?

 エディのあの勢いならやりそうだけど……。

 とりあえず、まだまだルカリアちゃんはリリアちゃんから本心を聞き出そうとしているから、僕とエリーは聞き耳を立てつつアイスコーヒーを飲んでいくのだった。
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