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第535話 惚れた相手が③
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変わったのは外見だけで、中身は昔通りの稽古バカのままだったリリア。
そこに、最初は外見だけで惚れてしまったが……中身はあいつのまんまだとわかると、なんつーかほっとしちまった。
誰かのもんになってておかしくないのに、まだ誰のものにもなっていないと言う安心感が俺の中に生まれたんだ。つまり、ケントに断言した通り、俺は既にリリアに心惹かれていたってわけだ。
外見は申し分ないが、勇ましい内側の心意気にも惚れてしまったんだ。
(……どうしたもんだか)
とは言え、現状は俺に稽古を申し込みたいアピールが凄い。留学して少しはお淑やかになったかと思えば全然だった。
「いけませんか? 陛下」
「ダメっつーか、女を怪我させられねぇだろ!?」
「私は弱くありません」
「だからって、成人と未成人以前に男と女だろ!?」
相変わらず稽古バカになると頑固なとこも全然変わってねぇなこいつ!? しかも、可憐な見た目でアピールしてくっから、こっちが折れそうで危うい!!
「ご安心を。私もあちらの王族の方々と打ち稽古は毎日のようにしていましたし、免許皆伝も頂戴致しました」
「……お前が?」
「はい。ですから、多少の激しい打ち込み稽古でしたら問題ありません」
ここまで言われると受けるしかないのか、といつのまにかいなくなってたケントらを目線で探せば、少し後ろでルカと一緒に口パクで『頑張れ』と言われた!? ルカにまで俺の気持ちモロバレかよ!!
(…………腹括らなきゃいけねぇか?)
正直思う。
リリアへの縁談は俺が申し込みたい。
だが、『国王』を理由に蹴られたくもない。
それに数年ぶりの親交を深めたいのも本当だ。
とくれば、俺なりのアピールに稽古を持ち込むのなら利用するしかない。
ここは観念して頷くことにした。
「……わかった。怪我したら速攻でやめるからな?」
「わかりました! では、また日を改めて」
「あ? 今日じゃなくていいのか?」
「本日はこちらでポーションパンを買いに来たついでに、ルカリアとお茶の約束をしに来ただけですの。陛下には別日に城に参上した時にお願いしようとしていたのです」
「……そうかよ」
変わっていないようで、ちゃんと変わってたんだな。
その切り返しの良さは、王妃にも相応しい器に違いなかった。
リリアはルカを連れて部屋を出て行ったが、ケントからはニマニマした笑顔で迫られた。
「エディもちゃんとデート考えなよ?」
「……わかってる」
「告白も自分からするんだよ?」
「……おう」
ケントを散々煽った俺の立場が逆転する日が来るとはな……。まあ、俺だって、いつかは王妃になる女を娶らなきゃいかんからちょうど良かったが。
とりあえず、帰城したら爺にフォンベルト家からの申し込みがあったかどうか確認しねぇとな。もし蹴ってたら、めちゃくちゃ謝罪して当主に改めて書簡を送らねぇと!!
そこに、最初は外見だけで惚れてしまったが……中身はあいつのまんまだとわかると、なんつーかほっとしちまった。
誰かのもんになってておかしくないのに、まだ誰のものにもなっていないと言う安心感が俺の中に生まれたんだ。つまり、ケントに断言した通り、俺は既にリリアに心惹かれていたってわけだ。
外見は申し分ないが、勇ましい内側の心意気にも惚れてしまったんだ。
(……どうしたもんだか)
とは言え、現状は俺に稽古を申し込みたいアピールが凄い。留学して少しはお淑やかになったかと思えば全然だった。
「いけませんか? 陛下」
「ダメっつーか、女を怪我させられねぇだろ!?」
「私は弱くありません」
「だからって、成人と未成人以前に男と女だろ!?」
相変わらず稽古バカになると頑固なとこも全然変わってねぇなこいつ!? しかも、可憐な見た目でアピールしてくっから、こっちが折れそうで危うい!!
「ご安心を。私もあちらの王族の方々と打ち稽古は毎日のようにしていましたし、免許皆伝も頂戴致しました」
「……お前が?」
「はい。ですから、多少の激しい打ち込み稽古でしたら問題ありません」
ここまで言われると受けるしかないのか、といつのまにかいなくなってたケントらを目線で探せば、少し後ろでルカと一緒に口パクで『頑張れ』と言われた!? ルカにまで俺の気持ちモロバレかよ!!
(…………腹括らなきゃいけねぇか?)
正直思う。
リリアへの縁談は俺が申し込みたい。
だが、『国王』を理由に蹴られたくもない。
それに数年ぶりの親交を深めたいのも本当だ。
とくれば、俺なりのアピールに稽古を持ち込むのなら利用するしかない。
ここは観念して頷くことにした。
「……わかった。怪我したら速攻でやめるからな?」
「わかりました! では、また日を改めて」
「あ? 今日じゃなくていいのか?」
「本日はこちらでポーションパンを買いに来たついでに、ルカリアとお茶の約束をしに来ただけですの。陛下には別日に城に参上した時にお願いしようとしていたのです」
「……そうかよ」
変わっていないようで、ちゃんと変わってたんだな。
その切り返しの良さは、王妃にも相応しい器に違いなかった。
リリアはルカを連れて部屋を出て行ったが、ケントからはニマニマした笑顔で迫られた。
「エディもちゃんとデート考えなよ?」
「……わかってる」
「告白も自分からするんだよ?」
「……おう」
ケントを散々煽った俺の立場が逆転する日が来るとはな……。まあ、俺だって、いつかは王妃になる女を娶らなきゃいかんからちょうど良かったが。
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