529 / 559
第529話 ほんとあっさり
しおりを挟む
馬鹿な奴。
しかも、自分は逃げ仰せようとするだなんて大馬鹿者ね!?
ケントのだけど、ポーションパンを独占しようとしていた? あたしは激怒を通り越して憤怒を引き起こしそうだったわ!! ギルマスもかなりキレてはいたけど……。
「こいつがか?」
「ケントもポーションパンも独占しようとしてたみたいだね」
「……殺すか?」
「それは国王の仕事だろ? 俺たちゃ引き渡すだけが役目だ……腑は煮えくりかえっててもな?」
「レイザーさんも結構怒ってるじゃないですかー?」
「シェリーもな? 杖振り回すな」
「えへへ~」
一緒に出撃した『シリウスの風』の面子もめっちゃ激怒しているわ。トラディスとシェリーは笑顔貼り付けているようだけど、行動が一致していない。レイザーが止めなきゃ半殺ししそうな勢いね。それを見て、あたしはちょっと冷静になれた。
(……死んではないけど、あっちも重傷ね)
ギルマスの精霊によって、火だるまにされたらしい男。顔とかは全然わかんないが、ケントとポーションパンを独占するのに加担したんだから牢獄くらい可愛いものよ。陛下の性格を考えると、豚箱行きだけで済まさないでしょうけど。
『あ? 俺のマブダチ関係者を誘拐未遂しただと? そんな阿呆な奴は俺の下にいる意味がないな!』
とかなんとか言い出しそう。あたしも何気に陛下と関わる機会が増えたから、性格もなんとなく把握しているわね。普通なら畏れ多いでしょうけど、恋人の親友だもの。知らない方が失礼だわ。
『エリザベス殿。この者は処分した方がよろしいか?』
奥の方で待機していたギルマスの精霊は、あたしに声をかけてきた。顔見知りではあるけど、相変わらず前のロイズさん並みに渋くていいおじさま顔だわ。まあ、あたしはケント一筋だーけーど。
「とりあえずやめといて。証人にはなるから捕縛程度にしといて? ギルマスとしては、処分したいだろうけど」
『……左様か』
「あたしだって痛めつけたいけど、ケントが望まないだろうからやめとくわ」
『是』
火傷の重傷者は、まあぐるぐるに締め付けておいて精霊に冒険者ギルドの方へ運ばせ。糞貴族の方は、レイザーが魔眼で自白させまくって全部ぺろっと吐き出させていたわ。ナイスよ!!
「は! この魔眼の性能いいな! 使い勝手良過ぎてコントロールもしやすい!!」
「お兄さん無理してない?」
「大丈夫だ。ケントが解呪してくれたからか、痛みもなんともねぇ。マジで生まれ変わった魔眼だな!」
「見た目はわかんねぇけどなあ?」
「とりあえず、この豚はギルドに運ぶか」
「「賛成~~」」
あっさり解決しちゃったけど、この連携がちょうどいいわよね?
しかも、自分は逃げ仰せようとするだなんて大馬鹿者ね!?
ケントのだけど、ポーションパンを独占しようとしていた? あたしは激怒を通り越して憤怒を引き起こしそうだったわ!! ギルマスもかなりキレてはいたけど……。
「こいつがか?」
「ケントもポーションパンも独占しようとしてたみたいだね」
「……殺すか?」
「それは国王の仕事だろ? 俺たちゃ引き渡すだけが役目だ……腑は煮えくりかえっててもな?」
「レイザーさんも結構怒ってるじゃないですかー?」
「シェリーもな? 杖振り回すな」
「えへへ~」
一緒に出撃した『シリウスの風』の面子もめっちゃ激怒しているわ。トラディスとシェリーは笑顔貼り付けているようだけど、行動が一致していない。レイザーが止めなきゃ半殺ししそうな勢いね。それを見て、あたしはちょっと冷静になれた。
(……死んではないけど、あっちも重傷ね)
ギルマスの精霊によって、火だるまにされたらしい男。顔とかは全然わかんないが、ケントとポーションパンを独占するのに加担したんだから牢獄くらい可愛いものよ。陛下の性格を考えると、豚箱行きだけで済まさないでしょうけど。
『あ? 俺のマブダチ関係者を誘拐未遂しただと? そんな阿呆な奴は俺の下にいる意味がないな!』
とかなんとか言い出しそう。あたしも何気に陛下と関わる機会が増えたから、性格もなんとなく把握しているわね。普通なら畏れ多いでしょうけど、恋人の親友だもの。知らない方が失礼だわ。
『エリザベス殿。この者は処分した方がよろしいか?』
奥の方で待機していたギルマスの精霊は、あたしに声をかけてきた。顔見知りではあるけど、相変わらず前のロイズさん並みに渋くていいおじさま顔だわ。まあ、あたしはケント一筋だーけーど。
「とりあえずやめといて。証人にはなるから捕縛程度にしといて? ギルマスとしては、処分したいだろうけど」
『……左様か』
「あたしだって痛めつけたいけど、ケントが望まないだろうからやめとくわ」
『是』
火傷の重傷者は、まあぐるぐるに締め付けておいて精霊に冒険者ギルドの方へ運ばせ。糞貴族の方は、レイザーが魔眼で自白させまくって全部ぺろっと吐き出させていたわ。ナイスよ!!
「は! この魔眼の性能いいな! 使い勝手良過ぎてコントロールもしやすい!!」
「お兄さん無理してない?」
「大丈夫だ。ケントが解呪してくれたからか、痛みもなんともねぇ。マジで生まれ変わった魔眼だな!」
「見た目はわかんねぇけどなあ?」
「とりあえず、この豚はギルドに運ぶか」
「「賛成~~」」
あっさり解決しちゃったけど、この連携がちょうどいいわよね?
応援ありがとうございます!
53
お気に入りに追加
475
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる