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第519話 便乗して

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 びっくりもびっくり!!

 もう、すっごいびっくりしたわ!? ケントさんの秘密をいきなり教えてもらったんだもの!! その内容があり得ないと普通なら思うものばかり……だけど、ポーションパンを作れる理由となれば、すぐに納得出来たわ。

『シリウスの風』のメンバー全員で大口開けてぽかーんってしちゃったけど……まあ、ケントさんだからだと受け入れることが出来たみたい。今はジェフを筆頭にケントさんに激励をしているくらいだもの。

 トラディスさんは、ケントさんにもう友達だからと普通に接したいと申し出ていた。このチャンスを、私も逃したくない!!


「ケントさん! 私もお願いします!!」

「へ?」

「トラディスさんだけずるいです!! 私も……同い年だから、一緒がいいです!!」

「……シェリー、って?」

「そう! 私も……ケントって、呼ぶ! エリー、いいでしょ?」

「まあ……呼び方とか変えるくらいなら」

「やった!」


 これでケント……とちゃんとした友達になれるわ。ジェフには苦笑いされたけど、『いいんじゃね?』と言ってもらえたから良かったわ!

 そのあとに、本来の厨房である『オープンキッチン』という場所を見せてもらったんだけど……異世界の設備丸出しのものばかりだったの!!


「「なにこれ!?」」

「……王城にもねぇと思うぞ」

「はー? すげぇな!」

「ここでポーションパンを作っています。カウルには普通のスライムと違って、変身能力を神様に付与されたことで魔導具のような機材になってくれるんですよ」

「「ほーん??」」


 そのカウルくんの変身も見せてもらったら……本当に見たことがない魔導具になったの!! 凄すぎる!!


「せっかくなので、ポーションパン作ってみませんか? 僕の手が少し加わっても出来ちゃうんですよ」

「「え、そうなの??」」

「うん。効能は少し低いけど、チャレンジしない?」

「「する!!」」

「面白れぇな?」

「滅多にない機会だしな?」


 エリーやルカリアさんも一緒なので、生地作りはケントさんとカウルくんが仕上げてくれるのを待っている間に……どんなパンにしようか頭の中で想像が膨らむ。

 いつもなら、フルーツサンドをって思うけど……カウルくんの『オーブン』を使ってみたいから、別のに挑戦してみたいなあ?


「シェリー? 顔がゆるみきってんぞ?」

「……ジェフこそ」


 人数が多いので手分けして作業することになったんだけど……ジェフも楽しみなのかいい笑顔になっていたわ。ジェフもケントさんを気に入っているし、ポーションパンは大好物だもの。
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