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第511話 お城でお披露目

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 ランクの昇格についての手続きは、玉座の間でエディが本来の姿である王様の方で宣言とかバッジを僕の礼服につけてくれるだけと、あっさりと終わった。

 まだ二回目だけど、僕とエディはマブダチなのと功績等々は魔法蝶とかでやり取りしてたからね。フィルムの試作も前回見てもらったけど、つい昨日マルスさん達が仕上げてくれた三回目のものを見てもらったら……。


「ほとんど透明な布だな? これを包装に使うのか?」

「うまく密封してシリカゲルと合わせれば……この間言ったとおり、数ヶ月は保存可能だよ」

「食材だけでなく……一部でも腐敗しやすい素材もかぁ」

「もう少し厚い素材にして、『真空パック』が出来れば……お肉もお魚も長期保存出来るよ」

『……なんでもアリだな。異世界』

『ほぼほぼね? 魔法はないけど』


 最後は他にお貴族さんたちがいるから小声で話したけど……フィルムについては皆さん興味津々。透明だけど触れるフィルムだから、結構びっくりされたよ。


「ケント殿! この素材はそこの若人らが精製されたのか!?」

「信じ難いが、素晴らしい!! 手触りも良いのに、簡単には破けない。袋状にすれば中身がよく見えるときた!」

「はい。あちらの鍛治師二人が作ってくれました」


 お貴族さん達の質問に、端の方でガチガチになっているマルスさん達のことを紹介したら……マルスさんとエッジさんは過剰に体を震わせちゃった。お城に来る機会って、そうそうないからね? 今回は僕とおふたりがメインだけど、マルスさん達は場違いな感じで緊張しまくっている状態。

 僕のあとにランクがAになる宣言をエディにしてもらってから、ずっとこんな調子だ。


「……こ、こここ、光栄……です!」

「っす! が、頑張り……ました!!」

「マーベラスさんにも負けませんよ! 僕が保証します!」

「「ケントさん!?」」

「事実ですから」


 とりあえず、お仕事増加は確実だけど……提案者としてもアピールさせていただこう。マーベラスさんは一応参加してるけど、さっきからこっちに来ずにフィルムを観察しまくっているので、多分話は聞こえていないと思う。


「ここをこうかぁ……若いもんの発想はえぐいなあ。自分やったらああするけど、そうしたら柔らかさが軽減されてまうし」


 などと、仕事馬鹿なので無視です無視。

 あと、マーベラスさんには『セロテープ』は依頼してたのでそっちは包装の練習披露をするときに使ったら、皆さんにさらに驚きを与えてしまったけどね。


「これは素晴らしい!!」

「ほとんど透明……しかし、しっかりとした粘着力があるので剥がれにくい。なのに、取り外しが意外と簡単」

「需要が高まれば、今までの紙が減りはするが……」

「だが皆のもの。この素材は焼却も可能で臭いもほとんど出ないときた。扱いを間違えるでないぞ?」

「「「はっ!」」」


 エディがいい感じに締めくくってくれたので、お披露目会も無事に終わり。

 エディからは、うちうちで食事会をしようと言ってくれたので以前も使った食堂にお邪魔することになり……僕は収納魔法からポーションパンを出しましたとも!
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