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第509話 マブダチとの相談

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 城にそろそろ来る予定の、マブダチであるケントから何故か魔法蝶を届けてきた。

 また何か不備でもあったかと中身を開けたんだが、内容は違っていたんだ……。


「……エリーともっと積極的になりたい?」


 付き合ってそこそこ経つよな?

 俺が見届けた時は未遂(?)だったが、あれから一度もそんな事がない??

 まさか……と思ったが、ケントなら十分にあり得る。謙虚と言うか、恋愛事に関してはからっきしと言うくらい……ダメダメだったような?

 とくれば、まさかキスすらしてない!?

 俺はすぐに返事がしやすいように、通話可能の魔法蝶をすぐに飛ばした。そして少し経ったあとに、ケントが受け取ったサインを得たので、すぐに水鏡を展開させた。

 時間も時間だったんで、寝室にいるのか……ケントはカウルを抱えてしょんぼりしていた。


「……大丈夫か、ケント?」

『わざわざありがとう……。自分が情けなくて』

『兄さんは兄さんでやんすよ』

『ありがとう、カウル』

「んで? エリーと積極的になりたいってどう言うことだ? まさかキスすらしてないのか??」

『……おっしゃる通りで』

「おいいいいい!?」


 やっぱりそうだったのか!? 付き合い出してから結構経つのに、あとで付き合い出した連中より遅れ過ぎていないか!?

 自分で言っているようだけど……マジでヘタレなんだな。仕事については人一倍積極的に動いてはいるのに。

 目の前にいたら軽く小突きたいが、出来ないので自分の頭を掻くだけでやめておいた。


『だって……前世でもだけど、誰ともキスとかしたことないし。恋人もいなかったし』

「うぶだなあ? そんなんで、いきなり出来るのか?」

『……ハグは昨日したけど』

「…………それだけ?」

『いっぱいいっぱいなんだから!? ほっぺには出来たけど!!』


 まあそれでも、ケントが動き出しただけでもいいことか? それについて、俺にアドバイスを求めてくるあたり……って言っても、俺もまともな付き合いしてこなかったぞ? 王族としての嗜みとかは受けなかったから……耳年増ではあるが、経験は全然ない。

 作法は多少知ってても、レベルとしてはケントと同じだ。


「……とりあえず、まずどうしたいんだ?」

『…………キス、してみたい』

「…………普通に二人きりになったら、自然に出来るだろう?」

『ファーストキスなんだよ!? ちゃんといいものにしたいんだ!!』

「……意外とロマンチストだな」

『エディにもあるでしょ』

「……わからなくもないが」


 ここまで意欲あるんなら、出来るんじゃないか?

 ラティストに聞けばとも思ったが、あいつは大精霊だから感覚が微妙にズレているからなあ? ルカには色々直球的に触れ合っているだろう。そう言う意味だと、ケントは負けているな。

 とりあえず、エリーも城に護衛として連れてくるそうなので……いっそ部屋を貸して、計画させるのもありだと思ったが、ケントが気後れするかもだからやめておいた。
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