スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

文字の大きさ
490 / 731

第490話 実験成功は

しおりを挟む
 ポーションパンを、もっと長持ちさせる方法か。

 しかも、魔法が扱えないだけでなく……魔法鞄マジックバックを購入出来ない庶民やもっと貧しい人間達に向けてのアイデア。

 さらに言えば、食材だけでなく加工した革製品の品質を維持することも可能だとか。

 ケントやヴィンクス氏の提案らしいが、製造過程にはSS鍛治師のマーベラス氏まで携わったとくりゃ驚きもんだ。

 俺もだが、舎弟らにも協力してもらい……いつものスバルの警備以外にも、街の外で少し長めの討伐依頼をこなすことで実験してみることにした。

 警備は他の舎弟に任せることにして、俺は討伐の方に集中した。肉の素材として最適な魔物を依頼で受け……サクサクこなし、亜空間収納に入れておけば、ギルドで丁寧に捌いてくれるし、ケントへのいい土産になるだろう。

 あいつは料理人でもパンの職人だから肉までは捌けない。以前そのまま持ってったら、正直に話してくれたんだよな。若いのに、自分の出来るできないをきちんと言える良いやつだ。

 だから……慕われる存在になっていく。エリーとも恋仲だし、ラティストの旦那とも永久契約してるしなあ? 創始の大精霊との永久契約だなんて、未だに信じられんが……その旦那自身も伯爵のご令嬢と、今は同棲……なんで俺にはまだ彼女すら出来ないんだ!? 羨ましい!!

 は、さておき。


「よっし!」


 魔猪を無事に討伐したところで、血抜きだけはしてから亜空間収納にしまい込んで。

 他の舎弟らも集まってから、今日で二日目ということもあり、例のシリカゲルとやらで保存はきちんとされているかどうか……紙袋からポーションパンを出すことにした。袋の底にシリカゲル入れてあるから食べることはない。

 さらに薄い紙に包まれているパンを出せば……二日経っているはずなのに、パンはふわふわのままで乾いていなかった。


「すげーですぜ、兄貴!?」

「亜空間収納とか魔法鞄マジックバックに入れてた状態と同じですぜ!?」

「よっし、食ってみるか?」


 疲労回復用のロースカツサンドとやらを俺は食ってみたが、出来立ての時と変わらないくらいの柔らかさに肉のボリューム感が堪らない味だった。

 ポーション効果も失われておらず、俺の体が白く発光した。そしてみるみるうちに負荷がかかっていた関節とかが癒えていく感覚を得たぜ!!


(大成功じゃねぇか?)


 冒険者の全員が全員亜空間収納を会得できるわけでもない。庶民もそうだ。

 だが、このシリカゲルとやらがうまく流通すれば……物流とかもだいぶ変わるだろう。

 実験は成功したし、手土産も出来たからケントに良い報告が出来そうだ。

 依頼はまだ全部終われてないが、残りのポーションパンの保存も兼ねてもう何日か実験を続けたぜ。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

異世界での異生活 ~騎士団長の憂鬱~

なにがし
ファンタジー
成人年齢15歳、結婚適齢期40~60歳、平均寿命200歳の異世界。その世界での小さな国の小さな街の話。 40歳で父の跡を継いで騎士団長に就任した女性、マチルダ・ダ・クロムウェル。若くして団長になった彼女に、部下達はその実力を疑っていた。彼女は団長としての任務をこなそうと、頑張るがなかなか思うようにいかず、憂鬱な日々を送る羽目に。 そんな彼女の憂鬱な日々のお話です。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル 異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった 孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます さあ、チートの時間だ

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

処理中です...