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第487話 シリカゲル精製

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 材料集めから始まったけど、そこはエディがすぐに飛ばしてくれた魔法蝶のおかげでスムーズに進んでいった。

 エディには僕の世界の事情を教えているから……材料の細かい内容を伝えるのに誤魔化す必要がない。だから、お師匠さんとリストアップして返事を送った。

 材料を揃えてから、マーベラスさんだけだと任せっきりになるんで……お師匠さんと僕で生石灰の方の保存剤を作っていく。

 ラティスト達にも手伝ってもらったら、僕にも見覚えのある板状のシリカゲルの出来上がりだ。


「何度も言うが、こいつは絶対水に濡らしたりしないでくれ。発火する恐れがあるんだ」

「繊細な仕組みなのですね?」

「でやんすー」

「……しかし、魔法を使わずに保存を促す素材となるのならばかなり使い勝手がいい」

「包装の素材についてはおいおいだね」


 ある意味プラスチックを生み出したようなものだけど……フィルムとかはまだ製造が難しいとお師匠さん談。

 ラップとか包装の素材が増えれば……それこそ、生活改革もできちゃうわけだが、まだまだ先のことだ。順序よく進めていかないと大変だからね。

 僕の本分はポーションパンの製造だから、今は保存出来る素材を作っているんだもん。


「おーい。こんなもんー?」


 別作業してたマーベラスさんが入れ物代わりの鉄鍋を持ってくると……中には、小さな青いビーズがぎっしり入っていた!? ざっくり説明でも……シリカゲルって出来ちゃうんだ!!


「上々。あとは、これを実際に使用出来るのに」


 お師匠さんが魔法蝶を使ってどこかに飛ばし……ちょっとだけ待ったら、花束を持ったレイアさんがやってきたんだ。


「ヴィンクスさんに、頼まれたんですが」

「ああ、わざわざありがとう。花束にしてくれたのか?」

「売り物に出来ないお花で、本当にいいんですか? 飾るのにはふさわしくないですが」

「ああ、違う。それはドライフラワーにしたいんだ」

「……ドライフラワー?? これをですか?」

「今開発中の素材で作るんだ」


 レイアさんから受け取った花束の、花の部分だけ摘んで……シリカゲルと交互に挟んで鍋いっぱい入れたんだ。

 ドライフラワーって干して作るものじゃないのかなあ??


「こんな作り方あるん?」

「水分をシリカゲルに移すためです。普通なら一定期間置かなければいけないですが……マーベラス殿の錬成したこれなら」


 すーっという具合に、青が薄ピンク色に変わっていき。完全にピンクになったら、お師匠さんは手を入れて花を取り出したんだけど。


「「「えぇえ!?」」」


 僕やカウルとかが驚くくらい……ドライフラワーがきちんと出来ていたんだ!? めちゃくちゃすごい素材が出来たんだ!!
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