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第484話 その不潔は、我が身でも

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 しかし、ケントではなく私のところに来るとは……何か伝達の違いでもあったのだろうか?


「……ケントからの魔法蝶が届いたのですか?」

「おん! めっちゃおもろい試みやないか? 陛下にも連絡済みやろうし、俺は参加するで!!」

「そうですか……」


 それはそうと、また作業に没頭してたのか体臭がえげつない!? すぐにジェイドに浄化の魔法をかけさせ、私はここぞとばかりに説教することにした! まずは胡座でもいいから床の上に座らせるとこからだ!!


「……なんや?」

「私も以前のことがあるので、大袈裟に言えませんが……不潔癖は改善した方がいいですよ!?」

「……ええやん。限られた奴らしか会わんし」

「それでもです!! 流石に王城へ行く時は別でも……恋人出来てもそうするつもりですか?」

「…………はい」


 モテるモテないだとモテる方なのに、こういう性格とかだからなかなか生涯の奥さんとかが出来ない。私とてレイアへの想いなどを自覚して結ばれてからは……ルゥに聞いたりして身だしなみは常にキープしている。顔立ちはまあまあなので、レイアからも気に入られているからな!

 ともかく、シリカゲルに腐臭などもってのほかなので、関わる人間のそれを加えては異次元の代物になってしまう。それは絶対あってはならない!!


「とりあえず……リフレッシュも兼ねて、湯浴みだけはしてください!」

「……わーったわ。ヴィーも身綺麗にしとるし、俺も気ぃつける」

「……ほんとですか?」

「古馴染みはここまで変わっとるんやで? そら、ちょぉ変わろうとは思うわ」

「……そうですか」


 人のふり見てとやらかもしれんが、多少改善されるのなら良しとしよう。

 とりあえず、念のために風呂も入らせることにしてマーベラス殿を徹底的に磨くことをレクチャーするのに。

 試験的に作った、高品質のシャンプーとトリートメントを使って……実験台になってもらった!!


「ぎゃああああ!?」

「暴れないでいただきたい!! 泡が目に入る!」

「なんなん!? 何これ!?」

「一種の薬油です! 大人しくしててください!!」

「ヴィンクスー? お湯まだ?」

「今だ。流せ!」

「ほいほーい!」


 そして、これまで雑に湯浴みしかしてこなかったマーベラス殿だが。

 予想をはるか上回るほどに……美中年とやらの仕上がりにまで、輝きが増した男が出来上がったのだった。

 鏡でご自分で確認してもらったが、当人すらめちゃくちゃ驚いていたがな?
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