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第482話 作る理由は
しおりを挟む「店長? シリカゲルと言うのは何ですの?」
リトくんを無事に送って帰ってきたルカリアちゃんにも、もちろんシリカゲル製造の話を伝えたんだけど……異世界事情を少し伝えただけじゃ全部わかんねいからね? ちゃんとお話するよ!
「えっとね。パンって、普通はしばらくそのままにすると乾燥したりふにゃふにゃしちゃうでしょう?」
「ええ。亜空間収納などに入れておかないとなりますわね?」
「その状態に行き着く時間を……少しでも先延ばし出来るモノって言えばいいかな? 薬品じゃなくて、固形物みたいなモノだけど」
「……よくわかりませんが。魔法だとダメですのね?」
「うん。ラティストくらいしか使えないし、試した時期はあったんだけど……ポーションとしての効能が劣化しちゃうんだ」
イケメン神様が制約がどうこうの言っていたから、そこに関係しているかもしれない。
だったら、何か補助出来るモノを作って保存を一定期間だけでも可能にすればいいんじゃないかと思うんだ。それには、製菓とかで主流になってるシリカゲルがベストだと思うんだよね?
材料をどうするとか、本当に作れるのとかの問題点は多いけど……希望がないわけじゃない。
イケメン神様にポーションの効能の法則を作ってもらったからには……それだけ、僕らの力で解決したいんだ。作るのは許可もらったし。
「なるほど。それは素晴らしいモノですわ。完成すれば……食材の保存方法の革命が起きるかもしれません」
「けど、どの食材にも扱えるかは試験しないとわからないからね。小さなモノだから、うっかり食べたらお腹壊すし」
「繊細なモノなのですね?」
「お師匠さんと話し合えば、仕組みは作れるかもだけど」
僕は化学者でもない、ただのパン職人だけど、専門学校に在籍していた時は、あらかじめ用意されているのを入れて梱包させてただけだから……。
けど、全く役に立たないわけじゃないし、お師匠さんだけでなくエディやいろんな人達のサポートがあれば……実現すると思うんだ。
まずは、材料調達からだけど……お師匠さん、今日はもう来ないかな?
せっかくだから、売れ残りを持って行って皆で工房にお邪魔しようかな??
応援ありがとうございます!
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