スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第476話 マブダチからの情報

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『よっ、ケント!』


 魔法蝶から声がしたんだ!? しかも、相手はエディ!!


「エディ!? なんで魔法蝶から!?」

『ははは。ちょいとした細工もんだ。色々見てたんだが、なんとかなったんだな?』

「……どこから?」


 エディのことだから、最初からなのは当然でもサファさん達のことをどこから見ていたんだろうか?


『あのパン職人を含め、他のパン職人も見回ってたんだ。だいたい似た理由で店をたたもうと決意している連中ばっか。……君のパンが美味すぎるのは当然でも、意識改革はそう簡単にはいかないってとこだ』

「……そっか」


 エディは王様だから、サファさん達のような人達が出てきてもおかしくないって……わかってたんだ。僕は、なんて考えなしのない人間だったのだろう。

 すると、エディから『けど』って言葉が続いた。


『サファってやつが今上機嫌だろ? そのまま生産ギルドに行ったらしくてな。……食材の調達ルートの手配とかを、店をたたむ申請をしてる連中が見て……サファに聞いてるようだ。特色のあるパンを作るのも手段の一つだと言ってる』

「……そんな魔導具ぽいことも出来るの?」

『俺の特権というとこだ。とりあえず、きっかけはうまくいった。君のおかげだ、ケント』

「……そうかなあ」


 僕のせいでお店を畳むことになりかけたのに、僕が助けて改善するって……結果オーライでも、今後また起きないとも言い切れない。


「聞いたぞ、ケント」


 バンって、裏口が開いたらお師匠さんが入ってきたぁ!?


「お師匠さん!?」

『よ、ヴィンクス』

「……高性能の魔法蝶を使ってか。しかも、リオーネを含むパン屋の経営難……ロイズも頭を抱えていたが、エディがそう言うのならケントが気に病むことはない」


 中にはリトくんがいるから、エディのことを王様と言えないので言い方を変えていた。

 それはともかく。


「……僕は今までどおりでいいんですか?」

「ああ、もちろんだ。師としてもそれが良いと言える」

「……はい」


 同じ転生者でも長くリオーネに住んでいるお師匠さんが言うなら……きっと大丈夫だ。

 またどこかのパン屋さんが困っていたら、手を貸すことはしよう。と思ってたんだけど。


「君の見解は手を貸すとかしようとしているが、ポーションパンじゃない普通のパンはむしろ競争意識が高い。彼らは彼らのやりやすいようにした方がいい」

「……パン屋さんだからですか?」

「そう言うことだ。この街にはポーション屋も少ないし、そちらはそちらで経営する方も大変だからな」

「……なるほど」


 お店を維持するって……成人したばっかりでも、まだまだ若造の僕じゃ意識の傾きが幼いや。


『まあ、俺もなんとかフォローはさせる。店の方にはまた行くからな!』

「……仕事はしているのか?」

『…………してる』


 とにかく、僕は僕でポーション流通のために……もっと良いパンを作っていこう!!
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