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第471話 他のパン屋は①
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勝てない……。
あのパン屋に。
スバルって店に。
どうしても……どうしても、勝てない。
あの店が悪いって理由を作ったって意味がないくらい……バカじゃないのは知ってる。
あの店は、普通のパン屋じゃない。錬金術師の弟子で、作るパンも『ポーション』と言う奇抜なもの。
最初『嘘だろう』と思ってこっそり行ってみたが……どれもこれも、知らないものばかりで美味そうなパン達。
派手なものから素朴なものまで種類豊富。
食材を乗せたり包んだりなど……いったい全体どこで学んできたんだ?
店主は、まだ成人仕立ての若僧。
だけど、嫌味ったらしい性格ではなく朗らかな笑顔で周囲を和ませてくれる……めちゃくちゃいい奴だ。
他にも、美形過ぎる愛想の薄い店員がいるが……こっちも仕事はきっちりしている。最近恋人が出来たらしく、女性客が一部減ったらしいがそれは関係ない。
とにかく……そこのパンはポーションとしての利用だけじゃなく、めちゃくちゃ美味いもんばっかなんだ。
まだ開業して一年も経っていないのに……王家御用達の称号まで得たんだ。適うはずがないのは……身をもってわかってきた。
他のパン屋もだんだんと看板をたたんでいくと聞いている。
俺も……いずれ、それの仲間入りになるだろう。
けど、親父からきちんと受け継いだ店を閉めたくない思いはある。どうしたら……いいんだ?
スバル以上のパンだなんて、俺には作れない!
「……どうしたら」
厨房には、ダメになった試作品の数々。
どれもが、スバルのポーションパンのように美味いもんはひとつも作れなかった。
親父に習った程度のパンじゃ……客が離れてしまうのは仕方がないのか?
悲しみが込み上がってきて涙が出てきた時、いきなり扉が開いた。
「落ち込んでるって聞いたよ、サファ!」
入ってきたのは、幼馴染みでケーキ屋を継いでる……ミハイムだった。
顔を見れば、なんでか怒っていたんだが?
あのパン屋に。
スバルって店に。
どうしても……どうしても、勝てない。
あの店が悪いって理由を作ったって意味がないくらい……バカじゃないのは知ってる。
あの店は、普通のパン屋じゃない。錬金術師の弟子で、作るパンも『ポーション』と言う奇抜なもの。
最初『嘘だろう』と思ってこっそり行ってみたが……どれもこれも、知らないものばかりで美味そうなパン達。
派手なものから素朴なものまで種類豊富。
食材を乗せたり包んだりなど……いったい全体どこで学んできたんだ?
店主は、まだ成人仕立ての若僧。
だけど、嫌味ったらしい性格ではなく朗らかな笑顔で周囲を和ませてくれる……めちゃくちゃいい奴だ。
他にも、美形過ぎる愛想の薄い店員がいるが……こっちも仕事はきっちりしている。最近恋人が出来たらしく、女性客が一部減ったらしいがそれは関係ない。
とにかく……そこのパンはポーションとしての利用だけじゃなく、めちゃくちゃ美味いもんばっかなんだ。
まだ開業して一年も経っていないのに……王家御用達の称号まで得たんだ。適うはずがないのは……身をもってわかってきた。
他のパン屋もだんだんと看板をたたんでいくと聞いている。
俺も……いずれ、それの仲間入りになるだろう。
けど、親父からきちんと受け継いだ店を閉めたくない思いはある。どうしたら……いいんだ?
スバル以上のパンだなんて、俺には作れない!
「……どうしたら」
厨房には、ダメになった試作品の数々。
どれもが、スバルのポーションパンのように美味いもんはひとつも作れなかった。
親父に習った程度のパンじゃ……客が離れてしまうのは仕方がないのか?
悲しみが込み上がってきて涙が出てきた時、いきなり扉が開いた。
「落ち込んでるって聞いたよ、サファ!」
入ってきたのは、幼馴染みでケーキ屋を継いでる……ミハイムだった。
顔を見れば、なんでか怒っていたんだが?
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