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第469話 不人気野菜で②
しおりを挟む「けぷー!」
「……食い過ぎた」
「僕も~……」
すっからかんにしてくれたのは、リトくん、お師匠さんとジェイドだった。リトくんは主役だからいいんだけど!?
「お師匠さん、ジェイド? 食べる量は加減してください!」
「……すまない」
「だってぇ、美味しくて……」
一応反省はしているようだけど、後悔はしてないって顔だ。これは次回も学習しないって顔だなあ……。これは今から出す追加には飛びつかない保証も出来ないぞ?
「追加持ってきたんですが……他の人の分も残しておいてください」
「……善処する」
「……はーい」
とりあえず言い聞かせておいたから大丈夫だとは思うけど……収納魔法から出した追加の料理を見て、リトくんがこっちにやってきたんだ。
「……ししょー。緑のなんですか?」
「これ? ピーマンにハンバーグ詰めたやつ」
「!? ぴ、ピーマン!?」
「……ごめん。嫌いだった?」
やっぱり彩り重視で作るんじゃなかったかな?
でも、リトくんは興味がないわけじゃないからか……ずっと見つけているんだよね。
「……ピーマンにお肉」
「うーん。濃いめに味付けしたし、苦いのはほとんどないよ? 小さいの食べてみる?」
「! ちょっと、がんばる」
「待っててねー」
新しいフォークで刺してあげて、はいって彼に渡してあげた。緊張している顔だけど、嫌いな食べ物でも美味しいものならって言う勇気を出そうとしている表情でもある。
くんくん匂いを嗅いでから、リトくんは一気に肉詰めを口に入れた!?
「!? ちょっと……苦いけど、いつものじゃない!! おいしいです!!」
「ほんと? 無理してない?」
「はい! ……もう一個、食べていいですか?」
「もちろん。ただし、お腹壊すのはダメだよ?」
「はーい!」
嫌いな食べ物克服への一歩となったのなら何より。
すると、後ろからお母さんのリアンさんに呼びかけられたんだ。
「ケントさん、ありがとうございます。スバルに行くようになってからは野菜は食べるようになったのですが……ピーマンをあんなに美味しそうに食べるのは初めてで」
「勝手に作っただけですけど、喜んでもらえてよかったです」
「あの、レシピ……教えていただけますか? あれだけ気にいるとうちでもねだられそうで」
「終わる頃にお渡ししますね。ちょっと細かく書きますから」
「ありがとうございます……」
にんじんも嫌いかと聞いたら、そうだと言われたので……にんじん入りのハンバーグやピーマンの肉詰めレシピを書き出そう。僕もちっちゃい頃ダメだったからおばあちゃんやお母さんが色々試行錯誤してくれたんだよね?
(……野菜を使ったポーションパンもいいなあ)
インスピレーションを刺激されて、新しいのが浮かんでいく。
僕にとってもいいことになったから、今日のパーティーは大成功だね!
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