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第461話 リクエストパン②
しおりを挟む「……ダメだ」
「ししょー、失敗ですか?」
「うん……」
シュークリームはうまく出来たけど、生クリームパンの方はあまりうまくいかない。配合もだけど、予想してたフワッとモチっと感が調整しにくいんだ。これは今回諦めよう。時間が無さすぎる。
(いちごを主張したようなパンで、あと可能なのは……)
クリームに粗く刻んだのを混ぜて……けど、それじゃいつものサンドイッチと変わり映えしない。
けど、そこで僕はあるところに行き着いた!!
パンを揚げて、切り込みを入れてクリームを挟んじゃえばいいんだ!! 普通の揚げパンだと大きいから……ハワイドーナツのマラサダに近いのにしてみよう。
あれなら、お母さんにお願いされて作ったことがあるしね!!
「リトくん、こねこねの練習をしよう」
「! ぼく、やっていいんですか?」
「もちろん。やろうやろう」
牛乳を魔法であっためたり、他の材料も用意して。
最初は熱いからスプーンでしっかり混ぜてから、リトくんにこねてもらう。黄色の生地が出来上がったら、発酵させている間にクリームを用意したりして……揚げる準備が出来たら、クッキングシートに僕が生地を乗せて揚げていく。
「わあ!」
ドーナツを作るのははじめてじゃないけど……これならふんわりしているし、クリームを入れたら食べ応えがあるはず。
揚がったら粉砂糖をたっぷりまぶし、冷めたらいちご入り生クリームを注入して!!
「出来た! いちごのマラサダ!!」
【『いちごホイップ入りマラサダ』
・精神力大回復
・魔力最大回復
・風邪完治
以上となります
】
ポーション効果も……まあ、予想してた範囲のものが付与された。リトくんと作ったらこうなるのかな?
けど、味見も大事なので……ラティストとルカリアちゃんの分は取っておいて、まずはリトくんとカウルで食べようと切り分けてあげた。
「おいしー!!」
「ふんわりさっくり……美味いでやんすよ、兄さん!!」
「うん。いいね!」
マラサダの部分もだけど、粗く潰したいちごの果肉のアクセントが生クリームとよく合う。甘く仕上げたマラサダにちょうどいいね! これなら、シロトさんのリクエストに応えられるだろう!!
シュークリームは先に味見して大丈夫だとわかっているし、箱詰めしてから彼女が来るまで収納魔法に入れておくことにした。
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