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第393話 初心者が相談

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 エディやルカリアちゃんから、こっそり離れてラティストの話を聞くことにしたんだけど。

 予想外中の予想外だったんだ!?


「……好きかも?」

「…………しれないんだ」


 ラティストから打ち明けられたのは、恋愛相談だった。

 あれだけ、冒険者の美人さん達には一切靡きもしなかったラティストが。ルカリアちゃんは違うかもしれないって打ち明けられたんだ! 大声を出しそうだったのを止めた自分を褒めたいくらいだよ!!


「……ルカリアちゃんを?」

「…………多分」

「自覚したて?」

「……だと思う」


 人間より、はるかに長く生きているはずの創始の大精霊って存在なのに。恋人も奥さんとかも、ただの一度も受け入れたことがないんだって。家族はジェイドを含めてたくさんいるようなのに、色々不思議だ。でも、そう言うものだと思っておこう。

 コソコソと話してはいるけど、エディがカウルと一緒にルカリアちゃんの相手をしてくれているから、もう少し詳しく聞くことにした。


「まず一個目。見た目だけじゃないよね?」

「……ああ。美しさだけで言うなら、精霊基準にすると低めだが」

「それ、本人の前で絶対言っちゃダメだよ?」

「……わかった」


 外見じゃないのなら、内面かもしれない。

 ルカリアちゃんは、貴族のお嬢様だけどエディの護衛が出来るくらい強いって聞いてはいた。ラティストに勝てるかはわかんないが、ラティストは強い女の子が好みなのかな? その割には冒険者のお姉さん達のアピールは物凄い嫌がっていた。つまり、自己主張を控えめにしてる子が好みかもしれない。


「僕も他人のこと言えないけど……ちゃんと好きってわかったら言ってあげなよ?」


 ルカリアちゃんは、ラティスト大好きだから……告白されたら卒倒しそうだけど。だからって、公開処刑のような告白はダメだと付け加えておいた。


「……今ではダメか?」

「即行動もいいけど、二人きりになってからね?」

「……どこかの店でか?」

「もしくは、デートでも街の外とか」

「……ふむ」


 暴走列車になる手前で良かった。

 ムードぶち壊しする気はないようだけど、何分初めての告白だから人間基準でもわかっていなかったみたい。

 僕もエリーちゃんに告白したのは街の外だけど、デバガメは多かったから……まだキスもしていないんだよね。婚約に近い関係ではあるけど、まだ未経験って……それはいいから!


「ラティスト。まずはルカリアちゃんをデートに誘おう」


 エディとカウルをルカリアちゃんから離すことにして、ラティストとルカリアちゃんを二人きりにするのに部屋から出た。


「あ? どした?」

「でやんす?」

「ラティストとルカリアちゃんの一大イベントに、僕らがいちゃいけないからね?」

「お? お?」


 今の内容でエディにはわかったけど、デバガメさせる気はないよ? 恋愛初心者のラティストが頑張ってルカリアちゃんを誘うんだから!
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