380 / 603
第380話 親としての不安
しおりを挟む
ギルマスとともに、ポーションパン屋のスバルに向かっている途中……リアンと合流することが出来た。正確には、赤い魔法蝶のようなものをあいつが追いかけていたからだが。
あれは……何なのだろうか?
「お? リアン。大丈夫か?」
ギルマスが声をかけても、妻の顔色は真っ青だった。腹の子どもの方よりも、今回はリトを心配してだろうな。俺だってそうだが。
「ギルマス! パーシー!」
「落ち着け。……ありゃなんだ?」
「……わからないです。けど、害はないように思うんです。リトのところへ連れていってくれるのかと」
リアンの説明に、ギルマスは鑑定眼鏡を使って……あの蝶を鑑定していたが、すぐに『大丈夫だ』と俺達を安心させるように肩を叩いてくれた。
「あいつは特殊な魔法蝶だが、今行くとこの奴が誘導してくれてるらしい。ケントんとこにリトがいるのは、ほぼ確実だ」
「……リトが」
「…………よかった」
息子が……リトが、安全な場所にいることがわかってよかった。
ケントくんは、俺もまだ数回程度しか会えていないが。冒険者だけでなく、リアンのような主婦にも人気の高いポーションパンを手頃な値段で売り買いしてくれている。
リトが、リアンが風邪の時に、ひとりで買い物に出かけるくらい……あそこは子どもでも安心して行くことの出来る場所。
ただ……何故。
スバルに行くくらいなら、妻にひと言も告げずに出かけて行ったんだ? なにか俺達に怒られるようなことでもしているのか? あのポーションパン屋で?
「とりあえず付いて行くぞ。事情把握はそっからだ」
「「……はい」」
けれど、ギルマスの言葉を信じて……リアンの体調も気遣いながら、赤い蝶の導きを三人でついて行くことにしたのだった。
あれは……何なのだろうか?
「お? リアン。大丈夫か?」
ギルマスが声をかけても、妻の顔色は真っ青だった。腹の子どもの方よりも、今回はリトを心配してだろうな。俺だってそうだが。
「ギルマス! パーシー!」
「落ち着け。……ありゃなんだ?」
「……わからないです。けど、害はないように思うんです。リトのところへ連れていってくれるのかと」
リアンの説明に、ギルマスは鑑定眼鏡を使って……あの蝶を鑑定していたが、すぐに『大丈夫だ』と俺達を安心させるように肩を叩いてくれた。
「あいつは特殊な魔法蝶だが、今行くとこの奴が誘導してくれてるらしい。ケントんとこにリトがいるのは、ほぼ確実だ」
「……リトが」
「…………よかった」
息子が……リトが、安全な場所にいることがわかってよかった。
ケントくんは、俺もまだ数回程度しか会えていないが。冒険者だけでなく、リアンのような主婦にも人気の高いポーションパンを手頃な値段で売り買いしてくれている。
リトが、リアンが風邪の時に、ひとりで買い物に出かけるくらい……あそこは子どもでも安心して行くことの出来る場所。
ただ……何故。
スバルに行くくらいなら、妻にひと言も告げずに出かけて行ったんだ? なにか俺達に怒られるようなことでもしているのか? あのポーションパン屋で?
「とりあえず付いて行くぞ。事情把握はそっからだ」
「「……はい」」
けれど、ギルマスの言葉を信じて……リアンの体調も気遣いながら、赤い蝶の導きを三人でついて行くことにしたのだった。
20
お気に入りに追加
502
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる