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第364話 改めてお祝い

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「おお! 相変わらず、こりゃすごいなあ!」


 エディはまだ二回しかオープンキッチンを見せていないから、びっくりするのも無理はない。

 それに、僕の収納魔法も惜しみなく披露出来る相手だから、ささっと仕舞ってあったパン達を出すことにして。


「ハッピーバースデー!! エディ!!」


 僕は、日本だとお決まりの台詞で手を大きく叩いてみたんだけど……エディにはわかんないから、口をぽっかーんと開けてしまった。


「はっぴー? なんだそれ?」

「僕とお師匠さんの前世の世界では、誕生日を祝う相手に言うお決まりの言葉だよ」

「……つまり、ケントらしく祝ってくれたってことか?」

「そうそう」


 嫌だったかな? とは思ったけど、エディは理解したのか思いっきり笑顔になって僕に抱きついてきました!?


「ありがとな!! 城でもそりゃいっぱい祝われたけど……ダチの祝辞もめっちゃ嬉しい!!」

「どういたしまして。いっぱいあるから、一緒に食べよう?」

「おう!」


 そして、中華まんもだけどトラディスさん達とも作ったオムレットとかも……エディは本当に美味しそうに食べてくれた。ポーション効果が凄いから、食べるたびに光ってはいたけど。


「美味しい?」

「めっちゃ、美味い!! 甘いのもいいけど、この肉とか入っているのもいいな! 友好国の貢ぎもんで食ったのにも似てるなあ?」

「え? 肉まんって他の国にもあるの?」

「おう。カトックって国だけど、こんな変わったパンが主食だったな? 具は甘いのに似てる」

「うーん。中華系の国か?」

「ケントの前世でもあんのか?」

「うん。けど、僕とかがいた国の方がアレンジは多いね。むしろ、そう言うのが得意な国なんだ」

「だから、ケントが作るパンは種類が多いのか?」

「これでも、ほんの一部だよ」


 星の数くらいある、パン屋さんやコンビニチェーンにスーパーなどなどの方がすんごいからね?

 開発部門さんとかが、もっともっとアイデアを出してくるんだよ? 彼らを思えば、僕なんか全然だ。


「へー? ケントも万能じゃないんだな?」

「……僕のことどう思ってんの?」

「腕っぷしも鍛えれば冒険者並みの、パン屋」

「……あのボール技だけは例外だって」


 他は、ちょっとだけ体力のある普通の人間に過ぎない。すごいのは、うちのメンバーだとダントツでラティストだからね。何せ、大精霊様なんだもん!


「だけど、ポーションのパンを作れるのはケントだけだろ? 後進の意味で誰か弟子を育てないと、この先は大変じゃないか?」

「……そうだね」


 お師匠さんは一人じゃ作れないし……イケメン神様からの使命を考えると、そこはいい加減避けて通れない壁だ。
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