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第360話 お疲れさん

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 エディの誕生日である祝日は、無事に終わりを迎えた。

 本人は来てないけど、多分明日くらいにはリオーネに来そうな気がした。勘でしかないけど、いっぱいお城で頑張っただろうから……ご褒美に、こっちに来ることをギルハーツさんあたりなら許可してくれると思うからね。

 とは言え、僕らは僕らで……へとへとになるくらい働いたから。


「…………明日から、二日は休みにしよう」

「「「「「「そうしよう……」」」」」」

「……でやんすぅ」



 ギルアさん、エリーちゃんに『シリウスの風』のメンバーがいなきゃ……マジで大変だった。カウルとラティストだけじゃ、絶対お客さん達をさばけなかったと思う。他の出店とか行きたかったけど……全然ダメだった。一度目の休憩からは、もう一度作る余裕すらなかった。

 よくて、レイアさんへの対応出来た時くらい。あれ以降は、中華まん達が完売するまで……何も出来ませんでした。まる。


「おーい、ケントー!」


 バラバラとお客さんが帰っていく波から、ロイズさんが来たんだ。手には大量の紙袋があるから、声でしか判別出来なかったけれど。


「ろ……ロイズさん」

「評判聞いたぜ? ギルドにも届いてきたぞ」

「す……すぐには出来ませんが」

「いいっていいって。疲れてんだろ? 差し入れ持ってきた。遅くなったが」

「「「「「「「差し入れ!?」」」」」」」


 全員で声を上げたのは……悪くないと思う。僕もだけど、皆さんも中華まんを最初食べただけで、あとお腹ぺこぺこだろうからね?

 ロイズさんは気迫にびっくりしたけど、とりあえず中に入ろうと……僕は厨房(オープンキッチンじゃない)ではなく、住居スペースのリビングにお通ししました。


「肉、魚に菓子……色々あんぞ?」

「「「「「「「おお!?」」」」」」」


 亜空間収納に入れれば、状態を維持出来てたらしいけど。その暇がないくらい、ロイズさんに市場や他の屋台の人達から渡された食べ物はたくさんあり過ぎて。

 テーブルにどんどん並べられていくのは、美味しそうなものばかりだった!


「ケントがそれだけ慕われているってことだ」

「そんな……」


 イケメン神様からのお願いがあったとは言え、僕は好きなパン作りをしているだけに過ぎないのに。

 それでも、役に立てていることがあるなら……嬉しいや。


「自信持て。お前は今や、リオーネの名物店主だ」

「い゛っ!?」


 若返り……と言うか、元の年齢に戻ったロイズさんだから、力が強い!? 絶対、背中に紅葉痕とか出来たと思う。悪いことじゃないから、言及はしないけど……。


「んじゃ、売り上げからの手数料をギルドに持ってくんのは明日以降でいい。今日はお疲れさん」

「え? ロイズさんも一緒に食べないんですか?」

「……ルゥに呼ばれてよ。打ち上げすんだと」

「…………お疲れ様です」


 野暮な話題なので、これ以上詳しいことは聞きませぇん!!

 お見送りしてから、皆さんで差し入れの食材を調理したりして、美味しく打ち上げをしました!
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