スライムからパンを作ろう！〜そのパンは全てポーションだけど、絶品！！〜

第314話 ギルマス大激怒

　ギルドに行くと、なんでかルゥさんとエリーちゃんがちょうどよく居たのです。


「「……なんですって？」」


　そして、ジェイドがラティストに報告して僕にも教えてくれた情報を皆にも伝えたんだけど。エリーちゃんとルゥさんは予想以上に、怒りを露わにしちゃったんだ。僕らとかが怯えてしまいそうになるくらい！　あれは、日本で言うなら『般若』だあ！！

　と、現実逃避するのはさておき。


「……精霊の仕業か。そりゃ、属性の関係でラティストの直下なら……俺達が手を出してもなあ」


　ロイズさんはロイズさんで、冷静に分析していた。しっかりしてくれている大人がひとりいるだけでも安心出来るね！

　しかし、怒っている女性陣はそうもいかないようだった。


「あんら、精霊だったら術師であるあたしにも関わっていいじゃなぁい？　闇属性も契約しているし……いいでしょ？　ラティストちゃんー？」

「……ルゥ、俺の管轄内なんだが」

「だ・め」


　ルゥさんは相当怒っているようだ。お師匠さんとは古馴染み……幼馴染みさんに近いからかな？　歳はルゥさんの方がずっと上だけど、親しい人の好きな人が酷い目に遭っているから普通以上に怒っているのかも。

　まあ、僕も全く怒っていないわけじゃないけどね？　ただ、ルゥさん達のお怒り具合を見ていると変に冷静になれるというか。


「あたしも手伝いますよ、ギルマス！」

「うふふ。女二人で、恋する女の子の敵を追っ払いましょー？」

「はい！」

「…………最終的な処罰くらいは、大精霊として下させてくれ」

「あら？　ラティストちゃんがわざわざする必要ないわよん？」

「…………」


　どこまでも、自分達が頑張るつもりだからか……ルゥさんはラティストの提案を却下していく。エリーちゃんはいいんだ、と思うけど、女性同士だから良いらしい。なら、僕とかロイズさんの出番もないかもしれないね？　それ以上に参加させない感じでもあるし。

　ロイズさんと目を合わせると、ロイズさんはげんなりとした表情でいた。ロイズさんの好きな人だけど、この人でも絶対止められないみたいだ。


【召喚！】


　ため息とかも吐いていたら、ルゥさんが声を上げた。

　そっちに振り返ると、床に綺麗な魔法陣がいつのまにか描かれていて……ルゥさんは可愛くポーズを決めていた。綺麗だけど、このエルフさん時々可愛いんだよね？　それはいいとして、魔法陣から紫の光が出てきて……人のような形になっていった。

　精霊さんかな？　と見ていたら、出てきた精霊さんぽい綺麗な紫色の髪の女性が……くるっとこっちに体を向けた。

　精霊さんらしく綺麗で可愛いけど……ちょっとどころじゃなく、だいぶ顔が青ざめていたんだ。


『申し訳ありません！　御大おんたい！！』


　誰のこと？　と僕は自分を指したけど……横に居たラティストがため息を吐いたから、ラティストのことだとすぐにわかった。