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第281話 鍛治師の見学
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とりあえず……マーベラスさんなんだけど。
別日に、僕らのパン屋『スバル』に来たいと予約してくださったので。
お師匠さんも同席することで、なんとか承諾して。
午後の仕込みが終わってから……店内に入っていただいたんです。
「なんやこれぇ!?」
で、開口一番……この驚きなのです。
「こちら、効能の差はありますが……すべてポーションパンです」
きっぱり言うと、マーベラスさんはその場でずっこけそうになった。踏みとどまって……膝立ちにはなったけど。
「こ……これ全部ポーション!?」
「はい。ただし、お師匠さんの作るものと違って……食べ物ですし、日持ちは数日程度。亜空間収納や魔法鞄に入れておかないと、効能も消えます」
「……永続的やないんやな?」
僕の説明で、だいたい理解されたのか……真剣な表情になった。職人さんの表情だね?
「そうですね。冒険者さん以外にも、住居区の主婦さん達もよく購入してくださいますよ? 味もですが、傷薬代わりに軽めの効能で安い方のパンもありますから」
「……分け隔てなく、か」
「エディに認めてもらっても、僕は僕のスタイルを変えません」
イケメン神様とも約束したからね? ポーション含める回復薬の流通をなんとかしなきゃいけないこと。
一応、前々からのロイズさん達生産ギルドのオークションとかで、信用はされてきているけど。
エディって、国王様が加わったことで……もっと知名度は高くなっていく。
国内外への噂も……どんどん大きくなるだろう。
その分、危険な場合があるかもだけど……ラティストのおかげか、今のところないんだよね?
万引きとかは……エディからもらった紋章のせいか、波が引いたように出てこない。
やっぱり、王家御用達の効果はすごいんだ。
逆に、主婦さん達がちょっと減ったんだよね? 値段は特に変えてなくても……『高級店』ぽくなったからか。
「……そうか。その方が良いわ。俺もジャンル違えど職人やからな? それはよーくわかる」
「どうしても余った場合は、亜空間収納に入れて僕達の朝ご飯とかになっています」
「……贅沢やわ」
「加工に回せるのは回してますしね?」
ラティストとカウルは、文句も言わずにずっと『美味しい』と言ってくれるから。
二人を見ても、首を縦に振ってくれてたし。
「……しっかし。効能もやけど、複数も付与出来んの……俺の鍛治側でもあんまないで? そこは、ヴィーの弟子やから?」
「……ええ」
「……まあ」
お師匠さんは、保護者の意味も兼ねてのバックアップとは言えないから。最初から、ポーションの複数も付与されるのは通常だもんね?
とりあえず……濁しておくしかないや。
マーベラスさんも怪しがっていたけど……僕らのステータスは相変わらず鑑定出来ないので、ため息をひとつ。
その後に、ご自分の亜空間収納から何かを取り出したのだ。
「……とりあえずわかった。せや、物々交換せぇへん?」
と、取り出したのは……鉄板? 小ぶりだけど……パン用とかに使う綺麗な黒い鉄板だった。
「鉄板ですか?」
「俺特製、傷みにくい頑丈なもんや。百回生地を乗せても、綺麗に焼けるで?」
「えぇえ?」
そんなチートな鉄板ってあるの!?
「適当に思いついた時に作っただけやねん。テストも済んどる。あと十枚以上はあんねんけど……パン数個と交換せぇへん?」
「……お師匠さん」
「……良いと思う。わざわざマーベラス殿が提案するんだ」
お墨付きもいただいたので……鉄板との交換で、マーベラスさんには好みを伺ってからパンをオススメさせていただきました!
別日に、僕らのパン屋『スバル』に来たいと予約してくださったので。
お師匠さんも同席することで、なんとか承諾して。
午後の仕込みが終わってから……店内に入っていただいたんです。
「なんやこれぇ!?」
で、開口一番……この驚きなのです。
「こちら、効能の差はありますが……すべてポーションパンです」
きっぱり言うと、マーベラスさんはその場でずっこけそうになった。踏みとどまって……膝立ちにはなったけど。
「こ……これ全部ポーション!?」
「はい。ただし、お師匠さんの作るものと違って……食べ物ですし、日持ちは数日程度。亜空間収納や魔法鞄に入れておかないと、効能も消えます」
「……永続的やないんやな?」
僕の説明で、だいたい理解されたのか……真剣な表情になった。職人さんの表情だね?
「そうですね。冒険者さん以外にも、住居区の主婦さん達もよく購入してくださいますよ? 味もですが、傷薬代わりに軽めの効能で安い方のパンもありますから」
「……分け隔てなく、か」
「エディに認めてもらっても、僕は僕のスタイルを変えません」
イケメン神様とも約束したからね? ポーション含める回復薬の流通をなんとかしなきゃいけないこと。
一応、前々からのロイズさん達生産ギルドのオークションとかで、信用はされてきているけど。
エディって、国王様が加わったことで……もっと知名度は高くなっていく。
国内外への噂も……どんどん大きくなるだろう。
その分、危険な場合があるかもだけど……ラティストのおかげか、今のところないんだよね?
万引きとかは……エディからもらった紋章のせいか、波が引いたように出てこない。
やっぱり、王家御用達の効果はすごいんだ。
逆に、主婦さん達がちょっと減ったんだよね? 値段は特に変えてなくても……『高級店』ぽくなったからか。
「……そうか。その方が良いわ。俺もジャンル違えど職人やからな? それはよーくわかる」
「どうしても余った場合は、亜空間収納に入れて僕達の朝ご飯とかになっています」
「……贅沢やわ」
「加工に回せるのは回してますしね?」
ラティストとカウルは、文句も言わずにずっと『美味しい』と言ってくれるから。
二人を見ても、首を縦に振ってくれてたし。
「……しっかし。効能もやけど、複数も付与出来んの……俺の鍛治側でもあんまないで? そこは、ヴィーの弟子やから?」
「……ええ」
「……まあ」
お師匠さんは、保護者の意味も兼ねてのバックアップとは言えないから。最初から、ポーションの複数も付与されるのは通常だもんね?
とりあえず……濁しておくしかないや。
マーベラスさんも怪しがっていたけど……僕らのステータスは相変わらず鑑定出来ないので、ため息をひとつ。
その後に、ご自分の亜空間収納から何かを取り出したのだ。
「……とりあえずわかった。せや、物々交換せぇへん?」
と、取り出したのは……鉄板? 小ぶりだけど……パン用とかに使う綺麗な黒い鉄板だった。
「鉄板ですか?」
「俺特製、傷みにくい頑丈なもんや。百回生地を乗せても、綺麗に焼けるで?」
「えぇえ?」
そんなチートな鉄板ってあるの!?
「適当に思いついた時に作っただけやねん。テストも済んどる。あと十枚以上はあんねんけど……パン数個と交換せぇへん?」
「……お師匠さん」
「……良いと思う。わざわざマーベラス殿が提案するんだ」
お墨付きもいただいたので……鉄板との交換で、マーベラスさんには好みを伺ってからパンをオススメさせていただきました!
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