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第262話 あれれ?

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「……加護をつけ過ぎたか?」


 ボールを勢いよく飛ばすだけで、あの破壊力は尋常じゃないぞ!?


『……加護は多少なりとも、操作されたのでは?』

「……したのだが?」


 バレーボールとやらについては、他所の世界の運動ゆえに……深くは知らないのだが。

 ケント自身の……特殊な構えで、あのように的を破壊出来るとは。

 加護を強くする前から……ケント自身はためらっていたようだが。それでも……あの威力。

 以前、ギルドで披露したよりも……確実に増している。

 であれば……我が与えた加護の効果もあってだろうが。


『……やり過ぎでは?』

「……やり過ぎたか?」


 それほど……与えた加護との適合が良かったせいもあるだろうが。

 だからとは言え……ケント自身も慌てるくらいだ。

 これは……いよいよ。


『……ラティストが、また乗り込んできそうですね』

「やめてくれぇええええ!!?」


 我は!

 ケントのためを思って!!

 自衛の力を少しいじっただけなのに!?

 神として、フォローしているだけなのだぞ!?

 何故こうなった!?


『しかし……あの威力では』

「運動が皆無ではないとは思っていたが」


 なにあの威力。

 的を破壊出来る威力。

 下手すると……人間らでも全身骨折させるだけで済まないだろう。

 加減は出来るだろうが……今慌てに慌てまくっているケントには……その考えには至らないだろう。


【……お前のせいか】


 とかなんとか、していたら!?

 ラティストが!?

 来やがった!!?


「ら……ららら、ラティスト!?」


 意識体ではあるが、不機嫌丸だしで乗り込んできた!?


【……ケントに何をした?】

「加護をいじっただけだ!? スキル効果上げる意味で!!」

【……なのに、あれはなんだ?】

「我にもわからん!! 信じてくれ!!」

【…………そちらの者は?】

『御使のシロトです。神が仰る言葉は真です。大精霊』


 シロトがフォローしてくれた!! ちょっとだけチクチクする物言いではあるが。

 ラティストも……少し理解してくれたのか、威圧を少し落ち着かせるのに息を吐いた。


【……とりあえず、信じよう。だが、ケントのためにはならぬ事はするな】


 と言って、意識体を消したのだが。

 我はお前よりも数倍偉い『神』なんだが!?

 なんか、立場逆転じゃないか!?


『……神よ。仕様がないのでは?』

「……解せん」


 シロトが頭を撫でてくれても……我はちょっと涙がちょちょぎれそうになったぞ!?

 なんで……我ってこんな不憫なんだあああ!!?


『いわゆる、フラグでは?』

「シロト!?」


 それ、次があるかもだから言わないで!!?
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