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第235話『アイス乗せ小倉トースト』
しおりを挟む「……またポーションになったのか?」
「……うん」
ラティストにはステータスが見えているから、僕と同じようにため息を吐いた。
「……あいつは仕方ないな」
「……そう言う神様?」
「……ケントのパンに関してはだろうが」
「……はは」
まあ、美味しいものを……だけど。
この世界での、回復薬全般を何とかして欲しいってお願いもあったしね?
ただ……あんまり需要を広めたつもりはないけど。色んな冒険者さん達が、亜空間収納や魔法鞄で持ち歩いたりしてくれているから……あちこちで噂があったかも。
最近はリオーネよりも遠い街から来るお客さんもちょいちょいいるんだよね?
とりあえず……おやつタイムも兼ねて、小倉トーストを食べよう!!
「い……いただくでやんすぅ!」
カウルはアイスが溶けちゃうのが気になっていたようで。
僕がいいよと言うと、大口開けて……半分までがぶっと食べてくれたよ。
「ん!?」
僕もすぐに食べたけど……先に炙って焼いた香ばしさに、バターの蕩け具合と塩気。
そこにあったかいあんこ……今回は粒餡だけど。その味わいに上の溶けてくるあんまいバニラアイスとの相性が!!
全部、ベストマッチ過ぎて……ラティストもめちゃくちゃがっついてくれるくらい、美味しい!!
四枚切りサイズの食パンを使ったけど、美味しく美味しくて!!
三人であっという間に食べちゃった……。
「美味かったでやんす!!」
「……これは、いいな」
「あんぱんでもいいけど……あんバターサンドでもいいかもしれないね?」
「「あんばたー?」」
「文字通り、あんこにバターを挟んだ甘いパン。バターは溶かさずに、そのまま薄く切ったのを挟んでおくんだ」
「……美味いでやんす?」
「想像が難しい」
「じゃ、試食会の時に一緒に出してみよう!!」
ポーション化するだろうけど……食パンで簡単に作るのでやってみよう。
その前に……メインのあんぱんだ!
ラティストが冷ましてくれたあんこ達。
カウルのドウコンで発酵させた生地は……今回あんこの味わいを活かして、菓子パン用じゃないのにする。
卵入れない、白パンタイプだ。お汁粉の時に、小豆の味が濃いと思ったんだよね? だから卵入りじゃないのでやってみようと思ったわけで。
「……ケント。そちらの生地は小さくないか?」
分割作業中、ラティストから声をかけられた。
そう。ラティストは普通サイズだけど……僕はお団子くらいに小さく分割していたんだ。
「出来る範囲で試したいものもあって」
「『試したい?』」
「パン生地は薄い……あんこたっぷりのパンなんだ」
あんこ大好きな人にはたまらない……『薄皮あんぱん』。
専門学校では数回作ったんだけど……美味しかったんだよね?
今回のあんこの甘さは、パン用だからかなり甘いし……出来ると思うんだ。
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