スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第232話『ほんわかお汁粉』

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 あんことかを作るなら……一晩水に浸けておくとかあったけど。そんな時短魔法を僕が使えるわけでもないしね?

 皆でオープンキッチンに入って……ラティストが持っている小豆を鍋に入れ、水をたっぷり入れてからまずは煮る。

 お湯が沸騰したら、渋抜きとか色々して……皮が破れるくらい潰れたら、砂糖と塩などの味付けを気をつけてやって。

 出来上がったら……軽くおたまで味見。

 予想通りの……お汁粉の味だ!!


「出来た出来た!!」

「……かなり、甘い匂いだな」

「た、食べたいでやんす!!」

「うん! 熱いから気をつけてね?」


 木のお椀に入れてあげて……ラティストもカウルも息を吹きかけてから、ゆっくり飲んでくれた。

 途端、ぴこんって跳ねるように……二人とも震えたよ!


「うんまい!?」

「……甘い。塩も少し入れているのに、甘い。優しい味わいだ!」

「こ、これ……をパンにどう入れるでやんすか!?」


 気に入ってくれて、すぐにお汁粉を空っぽにしてくれました。


「これをね? もうちょっと作り方違うけど……塊みたいなのにして、クリームパンとかみたいに生地の中に入れちゃうんだ」

「……それを、ケントは作りたいのか?」

「うん。絶対美味しいよ!! ……王様にも気に入ってもらえると思うんだけど」

「……わかった」


 と、ラティストが瞬間移動して消えちゃった!?

 カウルとそのまま待って……一分ちょっとくらいかな?

 ラティストが戻ってきた時は……大きな麻袋を抱えていたんだ。


「……ラティスト、それって」

「父上が、自分達にも作ってもらえるなら……と」

「え!? 瞬間移動で里帰りしたの!?」

「ジェイドを通さずとも、一度は行くべきだったからな」


 まあ、大精霊さん達にもジェイド経由でポーションパンは購入してもらえているから……いいんだね? 貴重な食材を差し入れしてくれるのは。

 とりあえず……作るのは明日にして、こし餡と粒餡両方をどう作るか。

 レシピ辞書に書き込むために……寝る前まで、僕らはキッチンであーだこーだすることになりましたー。


「よーし! 頑張るぞ!!」


 翌日はたまたま、休業日だったこともあり。

 しっかり寝て、英気を養ってから。

 カウル達とあんぱん作りに取り掛かることが出来る!

 時間かかるから……試食はお昼過ぎだけどね?

 もちろん、エリーちゃんやお師匠さん達にも魔法蝶飛ばして、試食会にはお呼びしますとも!!


「えいえいおー!」

「力仕事は任せろ」

「美味しいあんこ作ろう!!」


 ひとりじゃないから大丈夫!!

 美味しい美味しいあんこを作って。

 王様にも喜んでもらえるポーションパンにしなくちゃ!!
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