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第222話 ムード壊され

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「皆さん、何をしているんですか!?」


 一世一代の大告白が成功したと言うのに!!

 ちょっと……キスとか初挑戦しようとも思っていたのに!?

 なんで、エディもだけど……トラディスさんにシェリーさんもこんなとこにいるわけ!?

 僕は怒ったよ!!


「マブダチとして、親友の恋路を応援するのは当然だろ?」

「良い笑顔で親指立てないで!?」


 なんで、グッジョブなの!?

 いつからいたかわかんないけど……どこから見てたんだ!?


「……ケントさん達を見かけて」

「なんか、デートぽいですし」

「噂にもなってたから、こりゃ追いかけねぇとな! ってね!!」

「……噂?」


 なんの事? と首を傾げると……エディは何故かニマニマし出した。


「Bランク冒険者のエリーと、ポーションパン屋のケントとの交際発覚か!? 似合わないわけがないとかなんとか。めちゃくちゃ噂になってんぞ?」

「へ?」


 お付き合いする前から……そんなにも噂に?

 エリーちゃんは目立つけど、童顔……だけど、一応顔の良いらしい僕まで?

 お似合い……と言われると、ちょっと嬉しいや。じゃなくて!?


「二人を見守っていた俺達は、早々にこっちに来たんだ。まあ、君ら仲のいいことで。さっきのケントの告白はなかなか良かった!」

「「うんうん!!」」


 納得しているところ悪いけど。

 エリーちゃんにちょっと目配せしたら……泣いていたんだ!?

 僕は慌てて駆け寄って、ぎゅっと抱きしめてあげた!


「エリーちゃん!? どうしたの!?」

「……み」

「み?」

「……見られ、たぁ!」


 そう言うと、ぐすぐすって……涙をポロポロと流していく。可愛いけど、恥ずかしくなったんだね……と背中とか頭をヨシヨシとしてあげたよ。


「大丈夫大丈夫。僕がいるよ」

「うぅ……ケントぉ」

「んま! 早速ラブラブですわよ、奥さん!」

「……そうですねぇ、奥さん」

「ですねぇ?」

「そこ! 何してんの!? ちゃんとエリーちゃんに謝って!!」

「「「はーい」」」


 全くもう。

 雰囲気を台無しにされたのはもう仕方がないとは言え。

 報告する手間も省けたし、そこはいいかな?

 けど、僕よりエリーちゃんにはきちんと謝ってほしいので……エリーちゃんが落ち着くまで撫で撫でタイムがしばらく続いたのでした。


「……うう。シェリー、トラディス……なんで」

「「……ごめんなさい」」


 どうやら、エリーちゃんは僕が好きな事を二人には相談していたようで。

 完全に怒ってはいなかったけど……もう少し違う方法あったんじゃ、とも言っていたが。


「……あたしも、シェリーの時尾行したから。おあいこね?」

「そうだったね!」


 なので、お互い様だとチャンチャンって丸く収まりました。
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