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第189話 エルフにも報告

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「な・ん・で・す・ってぇ~~??」


 ケントのところに報告へ行ったあと……ルゥのいる冒険者ギルドに来たのだが。

 ちょうど来ていたらしい、ロイズにも……ジェイドのことを話したのだが!!

 またルゥからこめかみへの攻撃は痛い!!?

 加減してくれないから、めちゃくちゃ痛い!!


「痛い痛い痛い!?」

「なぁんで、君まで創始の大精霊~~。召喚出来たわけぇ!?」

「け、ケントの……パンを! 事前に、食べ……たから!!」

「……あらそう」


 正直に経緯を話せば……意外とあっさり解放してくれた。やはり……ケントの『ポーションパン』だからこそ、効果は絶大なのだろう。

 ジェイドはジェイドで、透化から顕現すれば……ケラケラ笑っていたが。


「ふふふ! 面白ーい!! ヴィンクスの周りって賑やかだね?」

「……あー。マジで、ラティストと兄弟なのか?」


 ロイズも、ジェイドと会うのは初めてらしく……軽く挙手してから質問をした。


「うん。ジェイド=イシュト=ガージェン!! 創始の大精霊の一角さ? 兄さんが焔を扱うんだけど、僕は翠!!」

「……属性あんのか?」

「人の子には、創始の大精霊への伝承は創世のことについてが多いけど。兄さんが焔を与えたのは有名でしょう? 僕はその補佐」


 ジェイドの言う通り、創始の大精霊についての伝承は創世神話などで……この世界では有名になっている。神が世界を創造した際に、焔を使わせたとか何とか。

 それで、かなり有名になったのが……ラティストなのだ。

 ジェイドや、他の創始の大精霊については……神話では詳しく知られていない。だから、私も召喚した時にそれなりに驚いたのだ。


「……と言うことは。我らの領域に、創始の大精霊が二人も?」


 ルゥの……エルフとしての本性が出た。

 こう言う凛とした部分だけを見れば……エルフらしく美しい女性なのだが。

 まあ、今ツッコミ入れたら……絶対さっき以上の攻撃を繰り出されるので言わないでおくに限る!


「……そうだ。召喚された身として、我はヴィンクスと永久なる契約を成した。この者が死を迎えるまで、我はヴィンクスと共にある」


 ジェイドも大精霊らしい態度を取ったので……まあ、見ているだけは美しく目に映る。

 ロイズと見守っていると……ルゥ達は何故かくすくすと笑い出した。


「……であれば、我らは貴方がたの補佐をするまで」

「……それはありがたい」


 なんて言葉を口にしたが……ルゥよりはるかに歳下でも、付き合いはそれなりに長い。

 ジェイドの方は、日が浅くとも……なんとなくわかる。


「…………ちょっといいか?」


 私ではなく、ロイズが先に口を開いた。


「「何か?」」

「お前さんら……結局はケントらのポーションパンがいつでも食べたいってわけだろ?」

「「その通り!!」」


 やはり、そうだった。

 格好つけているようで、やはり我欲が強いんだこいつらは!!
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