159 / 731
第159話 友達特権?
しおりを挟む「おはよう、エリーちゃん!」
今日も元気いっぱいのケントだったわ。
手には……何か紙箱を持っていたのだけれど。
紙箱は、しっかりしたものだから……少し高価なものじゃないかしら? あたしは、実家が商人の仕事をしているので……少しばかり、物の目利きが出来るのよね?
「おはよう……それなーに?」
「これね! 絶対エリーちゃんに食べてもらいたいって思ってたおやつ!」
「……おやつ?」
「ポーションパンじゃなくて、ミハイムさんとお師匠さんと一緒に考えたケーキなんだよ!!」
「ケーキ!」
このリオーネでは名が知れ渡っている……あの菓子職人のミハイム=レーガンの!?
たしか……前に、このパン屋の常連の一人だって聞いた覚えがあるわ。それと……ケントのいた世界での行事とかをパンに取り入れたいって話も。
その関係のお菓子かしら?
ミハイムのケーキって、下手すると王家御用達に近いと言われているのよね!!
「え!? 何か美味しいものですか!?」
シェリーも選び終わったのか、こっちに来ていたわ。
「うん! あ、シェリーさんも一緒に食べてください。ちょっと多めに入れておいたので」
「わ! いいんですか?」
「……お金は?」
「いいよいいよ! こっちはまだ試作段階だし、是非女の子達の意見が聞きたいから!」
「「じゃ、遠慮なく!」」
後ろから、他の客からの『羨ましい』が突き刺さってくるけど……あたしとシェリーはここの常連以上に、ケントと友達だもの? このくらいの特権は……いいよね?
とりあえず、パンの方はいつも通り購入してから……ケーキはせっかくだから、シェリーが『シリウスの風』全員で寝泊まりしている宿屋で食べることにしたわ。
「あ、早めに食べてね? すぐじゃないなら、亜空間収納に入れてね?」
「わかったわ」
と言うことは、パン以上に日持ちがしにくいケーキなのね?
中身を見たいところだが……店から出るまで、突き刺さる視線がウザいから今日はさっさと出ることにしたわ。出たら出たで、ギルアからは苦笑いされたけど。
「なんかもらったのか?」
「ええ。新作のケーキだそうよ?」
「お? 今日俺らにもくれるって言ってたな? 先に食えるのか?」
「ミハイムとかと協力して作ったそうね」
「……そりゃ、絶対うめぇな」
そうね、と頷いてから……シェリーと宿屋に向かい。
卓の上で箱を開けてみると……二種類のケーキが出てきたわ。
「可愛い!!」
「綺麗ね……」
白と黒茶系の……クリームに覆われたケーキ。
黒茶は、渦が巻いているような形で……あんまり食べたことはないけど、ロールケーキって言うのかしら?
味付けは何だろうか?
ケントのパンで、色々異世界の味を知ったとは言え……簡単には、想像が出来なかった。
「お茶入れたよー」
感動している間に、シェリーが紅茶を淹れてくれてたので。フォークは宿屋の女将から借りたのを持って、同じく借りたナイフで半分くらいに切り分けたのを食べることに。
「じゃ、白いの~」
「んじゃ、茶色の方ー」
それぞれひと口頬張ると。
お互い、美味しさが口いっぱいに広がったためか……それ以上の言葉を口に出来なかった!
41
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる