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第119話 必要な酵母種

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 ハンバーガー会議は、無事に幕を終え。

 翌日には、普通のポーションパンの仕込みをしてから……ハンバーガー用のバンズの仕込みも頑張ります!!

 そのためにまず必要なのは。


「……いつみても、不思議でやんすねぇ?」

「……そうだな」


 カウル達も自分の仕込みをやりながら、僕のやっているものを不思議そうに見ていた。


「けどまあ、必要なことだからね?」


 僕が今仕込んでいるのは、生地の一部となるもの。

 発酵にはイーストパウダーは使っているけど……仕込むパンによっては、必要なものがあるんだ。


『天然酵母』


 扱いは難しいけど、パンの仕込みには必要不可欠な、大事なものなんです。

 と言っても……レーズンなどを水に浸したものじゃなくて。

 無限に出せる材料の一部を使うんだー。


「……生地に見えなくないでやんすが、スライムぽくもあるでやんす」


 カウルが見てくれているのは……全粒粉を混ぜた、もち~っと鳥餅のようにも見える物体。

 これが、実は酵母を含む『発酵種』なんだよね?

 名前は『ルヴァン』!


「これがあるか無いかで……イーストとは別に生地の味落ちとか風味、あと老化も遅らせるんだよねー?」


 だから、一日で悪くならないわけではあーる!


「……魔法ではダメなのか?」

「うーん。美味しさとかも違うんだよね? 前に食べたオープンサンドよりも美味しいでしょう? ロールパンとか食パン」

「そうだな」


 毎日パンを食べているラティストだからこそ、違いはよくわかってくれている。今朝もオープンサンド作ったら、美味しそうに食べてくれるんだもん。


「フランスパン用の……『湯種』は仕込みが大変そうでやんす」

「熱湯使うもんね?」


 生活魔法の『熱湯ボイル』であっと言う間に出来ちゃうけど……専用の粉と混ぜていくのには力仕事となる。粉が重いんだよね?

 だから、ラティストにも時々手伝ってもらっています。

 とにかく、微量の酵母が全粒粉に含まれているので……これを毎日継ぎ足しなどで仕込んでいけば、美味しいパンがさらに美味しくなるのです!!

 今日の継ぎ足し分が出来上がったら、そっちは冷蔵庫へ。

 次に前日に焼いておいた試作品のバンズを、半分に切る。

 カウルにはマヨネーズを内側に薄く振ってもらい、ラティストには野菜の下ごしらえ。

 僕は、朝のうちに揚げておいたフィッシュバーガー用のフライの熱さを確認。冷めていたら、お師匠さんご希望の卵入りタルタルソースを作り……それぞれの準備が整ったら、挟んで。



【『贅沢タルタルフィッシュバーガー』


 ・慢性腰痛完治


 ・体力大回復


 ・冷え性完治(体質込み



 以上の効能となります。



 】



 と言う結果のポーションパンの出来上がりとなった。


「ケントー!!」


 そして……また飯テロレーダーを発揮、ううん、今日作ると魔法蝶で連絡しておいたので、お師匠さんがお昼ご飯ついでにやって来ました。
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