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第115話 貴族のお嬢さん①
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「ありがとうございました!!」
売れ残り問題から数日後。
改良に改良を重ね……ほんの少しは残るけれど、ポーションパンの売れ行きが右肩上がりになってきました!!
お師匠さんと相談しまくった結果、プレーン、いちごミルク、オレンジジュースのフレンチトーストが売れるようになったんです!!
何せ、店内に普段とは違う甘い香りが漂うからね?
気になったお客さん達が、効能などを見てちゃんと買ってくれるんだ!!
これは、本当に良かった。
サンドイッチ用に確保する以外の食パンやフランスパンの使い道が、ちゃんと見つかって……良かった。
ロスって、本当に無くしたいからね?
亜空間収納とか、魔法鞄ってチートがあっても……食べないでそのまま放置プレイも良くない。それらに入れておけば、賞味期限や消費期限を気にしなくてもだ。
「うーん。甘いのもいいけど……塩気のあるものももう少し増やしたいなあ?」
ラティストのお陰で、イケメン神様からのアナウンスでチート過ぎるポーション効果が付くことは減ったから。
お師匠さんというアドバイザーもいるし、開店したての頃から続けて販売してきた中で……午前と午後での売れ行き次第ではラインナップを変えていかなきゃいけない。
売れ残りは、食パンだけじゃないからね?
「……チーズ系がそこそこ少ないし」
単純なチーズパンもいい。
けど、作ってみたい代わり種もある。
専門学校で習ったパンも色々実践してみたい。
日本のパン特有の甘い種類も出してみたいが……大抵は食事向きだから、塩気の方がいいかも。
悩むに悩んでから……午後の仕込みに行こうとしたら、扉をノックする音が聞こえてきた。
「はーい?」
「ごめんくださいまし」
丁寧な口調の……多分女の子。
扉を開ければ、日傘を持った可愛らしい女の子が立っていた。
薄めの緑色の綺麗な髪は編み込みでまとまっていて、目はブルー。
格好は可愛らしいフリルたっぷりのワンピースだ。
街の人にしては、雰囲気が一般人ぽくない感じ。
「……いらっしゃいませ。午後の開店はまだですが」
「まあ、ごめんなさい。あまりこちらの街に寄れませんので……少しでもと」
「あ、そうなんですね?」
それと、ガラス窓越しに僕が見えていたから……気になってノックしたかも。
「……その、まだポーションパンはありますか?」
「はい。開店前よりだいぶ減っていますが。入りますか?」
「よろしいので?」
「ええ、もちろん」
どう見てもお貴族さんだけど……ディルック様みたいな礼儀正しい感じだし。無闇に追い払う理由もないもん。
中に入れてあげると、品数の少なさに女の子は『まあ……』と少し残念そうな感じになった。
「もっと早く家を出ていれば」
「そうですね。朝は特に冒険者の人達が多いので」
討伐依頼に出かける前に、買って行っちゃう人が多い多い。『シリウスの風』も来るけど、お金に不自由してないからかたくさん買うもんね?
「……あら。以前来た時とは違うものもたくさん」
けど、女の子はまだ残っているパンを見て……閉じた傘を腕にかけ、僕に購入していいか聞いてくれたのだ。
前がいつ来てくれたかは……お客さんの入れ替わりが多いので、全部覚えていないけど。
また来てくれて、しかもちゃんと自分で購入してくれるお貴族さんのようだから……僕は自然と笑顔になった。
たまーに……ほんと、たまーに来る柄の悪い人や万引き未遂の人とかとは違う感じだもの。
売れ残り問題から数日後。
改良に改良を重ね……ほんの少しは残るけれど、ポーションパンの売れ行きが右肩上がりになってきました!!
お師匠さんと相談しまくった結果、プレーン、いちごミルク、オレンジジュースのフレンチトーストが売れるようになったんです!!
何せ、店内に普段とは違う甘い香りが漂うからね?
気になったお客さん達が、効能などを見てちゃんと買ってくれるんだ!!
これは、本当に良かった。
サンドイッチ用に確保する以外の食パンやフランスパンの使い道が、ちゃんと見つかって……良かった。
ロスって、本当に無くしたいからね?
亜空間収納とか、魔法鞄ってチートがあっても……食べないでそのまま放置プレイも良くない。それらに入れておけば、賞味期限や消費期限を気にしなくてもだ。
「うーん。甘いのもいいけど……塩気のあるものももう少し増やしたいなあ?」
ラティストのお陰で、イケメン神様からのアナウンスでチート過ぎるポーション効果が付くことは減ったから。
お師匠さんというアドバイザーもいるし、開店したての頃から続けて販売してきた中で……午前と午後での売れ行き次第ではラインナップを変えていかなきゃいけない。
売れ残りは、食パンだけじゃないからね?
「……チーズ系がそこそこ少ないし」
単純なチーズパンもいい。
けど、作ってみたい代わり種もある。
専門学校で習ったパンも色々実践してみたい。
日本のパン特有の甘い種類も出してみたいが……大抵は食事向きだから、塩気の方がいいかも。
悩むに悩んでから……午後の仕込みに行こうとしたら、扉をノックする音が聞こえてきた。
「はーい?」
「ごめんくださいまし」
丁寧な口調の……多分女の子。
扉を開ければ、日傘を持った可愛らしい女の子が立っていた。
薄めの緑色の綺麗な髪は編み込みでまとまっていて、目はブルー。
格好は可愛らしいフリルたっぷりのワンピースだ。
街の人にしては、雰囲気が一般人ぽくない感じ。
「……いらっしゃいませ。午後の開店はまだですが」
「まあ、ごめんなさい。あまりこちらの街に寄れませんので……少しでもと」
「あ、そうなんですね?」
それと、ガラス窓越しに僕が見えていたから……気になってノックしたかも。
「……その、まだポーションパンはありますか?」
「はい。開店前よりだいぶ減っていますが。入りますか?」
「よろしいので?」
「ええ、もちろん」
どう見てもお貴族さんだけど……ディルック様みたいな礼儀正しい感じだし。無闇に追い払う理由もないもん。
中に入れてあげると、品数の少なさに女の子は『まあ……』と少し残念そうな感じになった。
「もっと早く家を出ていれば」
「そうですね。朝は特に冒険者の人達が多いので」
討伐依頼に出かける前に、買って行っちゃう人が多い多い。『シリウスの風』も来るけど、お金に不自由してないからかたくさん買うもんね?
「……あら。以前来た時とは違うものもたくさん」
けど、女の子はまだ残っているパンを見て……閉じた傘を腕にかけ、僕に購入していいか聞いてくれたのだ。
前がいつ来てくれたかは……お客さんの入れ替わりが多いので、全部覚えていないけど。
また来てくれて、しかもちゃんと自分で購入してくれるお貴族さんのようだから……僕は自然と笑顔になった。
たまーに……ほんと、たまーに来る柄の悪い人や万引き未遂の人とかとは違う感じだもの。
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