スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

文字の大きさ
上 下
105 / 603

第105話 見守りの終わり

しおりを挟む
 料理が運ばれて来たら……とりあえず、腹ごしらえをしようと食べることになった。

 メインは、ガレットのようなもの。

 他には、トラディスさんが取り分けしやすいようにサラダの大盛りやウィンナーポテトのようなものを頼んでくれた。

 いつもは、カウルとラティストと食卓を囲むけど……こうして、たくさんの人達とご飯を食べるのも新鮮だ。

 今日の目的が、シェリーさんとジェフさんの見守りだったけど……ほとんど結果は見えているので、僕らの役目も終わりだ。

 とにかく、お腹空いたから食べなくちゃ!


(……いただきます)


 エリーちゃんとならともかく、レイザーさん達の前で『いただきます』は言えないので……心の中で呟いて。

 食器を持ったら……まずはサラダから食べることにした。トラディスさんが、慣れた手つきで取り分けてくれたから、ありがたく受け取った。

 ドレッシングはシーザーぽい?

 醤油は存在してても、ポン酢とか和風ドレッシングは見たことないから……これが普通なんだろうか?

 ひと口食べたら、病みつきシーザードレッシングの味がして、どんどんしゃくしゃくと食べてしまう!!


(……うん。これにクルトンとか入れたら、もっと美味しいだろうに)


 明日あたりにでも、食パンの耳を使って作ってみてもいいかも。

 サンドイッチで余る食パンの耳は……カリッとラスクにして、格安で店では売っています。

 ポーションとしての効能も『傷回復』とだけあるから、お母さんとかの女性には『おやつ代わりに良いわね!』と……傷薬代わりに購入してくれています。

 それにクルトンが加わって、食事の幅が広がるのもいいしね? 食べ方のメモを入れれば……お母さん達の取り合いになりそうだなあ。


「ケント、サラダばっかりでいいの?」


 エリーちゃんに言われるまで、ずっとサラダを食べていたようだ。けど、美味しいから飽きないんだよね、これ。


「ごめん、美味しくて」

「そんな気に入ったの?」

「今思いついたこともあって」

「何々?」

「ケントさん、またパンか何か?」


 トラディスさんも聞きたがってくれたので……二人に、クルトンのことを話すと首を傾げられた。


「……そんな食べ方が?」

「美味しいの?」

「食感がサクサクだから、いいアクセントになるんだよね?」

「「ほぉ~……」」


 感心してくれた二人にも、今度振る舞ってあげよう。

 さっきから、ずっと無言でご飯食べているレイザーさんにもだけど。


「……あ?」


 そんなレイザーさんの前に、青い綺麗な蝶々が飛んできた。

 普通の蝶々じゃなくて、光っているので……これは魔法蝶と言うもの。

 この世界では、特殊な紙で作れるメール便のようなものなので、他の人達も特に驚かない。僕も転生した今はきちんと扱える。

 レイザーさんが手を差し出せば、蝶々は手のひらに止まった。


『ジェフ=リジェクターから、レイザー=ラヴァンへの通達。いかがなさいますか?』


 機械音みたいなアナウンスに……僕は横に居たトラディスさんとハイタッチしたが、レイザーさんは大袈裟な感じにため息を吐いて。


「承ります」


 と言うと、蝶々が瞬時に一枚の紙に変身!

 レイザーさんは中身をざっと読めば、すぐに苦笑いとなった。


「お兄さん! ジェフさん達は!?」

「……うまくいったようだ」

「「「わーい!!」」」


 エリーちゃんも一緒になって、僕らは大声で喜んだのだった!!
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました! 1巻 2020年9月20日〜 2巻 2021年10月20日〜 3巻 2022年6月22日〜 これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます! 発売日に関しましては9月下旬頃になります。 題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。 旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~ なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。 ────────────────────────────  主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。  とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。  これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。 ※カクヨム、なろうでも投稿しています。

元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。

九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。 異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。 人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。 もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。 「わたくし、魔王ですのよ」 そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。 元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。 「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」 果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。 無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。 これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。 ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

処理中です...