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第99話 見守り会①
しおりを挟む「いや~~、春ですなあ。エリーちゃん」
「春だわねぇ、ケントくんや」
なんで、いきなりおじいちゃんおばあちゃんのようなやり取りをしていると言いますと。
『あいつらを見守るわよ!!』
と、シェリーさん達のデート決行日が……ちょうどまたお店の定休日という事もあったので。
エリーちゃんと僕とで、シェリーさん達を見守る会が結成(?)され……いわゆる、尾行をすることに。
エリーちゃんもだけど、僕も軽い変装をして……お宿から、今も、二人を見守っているわけです。
まさか、いきなりジェフさんが手を繋ぐと言うイベントを発生させるとは思わなかったけどね!?
「恋するパワーは凄いねぇ?」
「いきなり手を繋ぐとは……あやつ、出来るな!」
「なんで、忍者口調?」
「ニンジャって何?」
「う、うーん? こっち風に言うと、レンジャー? アサシン?」
「ふーん? そうなの」
ただいま、シェリーさん達は街を巡回するルートを選び……ご飯とかお茶するには早いからか、本当に観光している感じ。
かく言う僕も、あんまりリオーネのあちこちを回っていないから……見守り半分観光しているよ。
護衛兼見守り会長(?)のエリーちゃんがいるから大丈夫。一応、ラティストからも出る前に念入りに魔法を何重にもプロテクトって勢いでかけられたけど……。
ラティストも付いて来たかったけど……実体化だと目立つし。カウルだけじゃパン屋の方を守れないので、エリーちゃんが『絶対ケントを守る!』と言い切ってくれたので……二人だけなのである。
「けど……ほとんどカップルだよねぇ?」
お互いの『好き好き』オーラは周りの人達がびっくりしているくらい出てるし……どっちも幸せそうだ。
ジェフさんは鈍くないと思うけど……シェリーさんの気持ちを弄んでいるようには見えない。
とくれば、くっつくのも時間の問題!
トラディスさんの不安も今日中に、なんとか、なるはず!!
「こっちが照れるくらいだわね? シェリーも嬉しそうな顔しちゃってるけど……あの子は、全然気づいてないでしょうね?」
「うーん、そうだねぇ?」
恋する女の子の幸せオーラは出てるけど……ジェフさんの気持ちに気づいているかと言うと、微妙な感じだ。
観光ついでのウィンドウショッピングで、シェリーさんはキラキラした顔しているけど……ジェフさんが買おうかと言っても、必要最低限のモノしか購入しない。
多分、レイザーさんが見て回れって言ってた任務をきちんとこなそうとしているだけだ。
「……何をしているんだ、君達は」
コソコソとシェリーさん達をしばらく尾行していたら……何故か、お師匠さんにバレてしまったんだよね?
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