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第96話 傍観者側
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新メンバーが……端から見てわかっていたが、リーダーに惚れていたとは。
最初、魔眼で視た時は……追っかけか何かとも思いかけたが、リーダーのジェフの幼馴染みなのはすぐにわかり、お互いきちんと話し合った上で……ジェフは加入を認めた。
ま、関係以前に……『魔闘士シェリー』だと俺も分かったら、納得は出来たがな? 見た目は可愛い子ちゃんだが、実はとんでもねぇ実力者とくれば……俺も異論はなかった。
弟のトラディスは、新メンバーが増えるのには特に異論がなかったが。フランツの事を後でシェリーに教えても、特に引いてなかった。だから、ジェフの選択は正しかったと俺も納得出来たのだ。
そして……そのシェリーだが。
「おうおう、デート計画か?」
俺の昔馴染みのBランク冒険者のエリーから、シェリーとジェフのデート計画に協力してくれないかと、魔法蝶を飛ばして来た。俺だけじゃなく、トラディスも来て欲しいと。
場所は、ケントんとこの『スバルのパン屋』。
ケントも計画を知っているんで、話し合うのに場所をそこにすることになった。俺はすぐにトラディスを連れて向かったが。
「な、ななな、なんで、二人にも!?」
シェリーには、俺とトラディスが事情を知っているのを知らなかったのか……物凄く慌てていた。
「……お前がわかりやすいぞ」
魔眼越しの心情抜きにしても……ひと目でわかったくらいだ。トラディスは違ったようだが、知っていることを告げたら……氷が溶けるようにシェリーは床の上にへたり込んだ。
「え、え、え?」
そんなに自分の気持ちが周囲にバレているとは思わなかっただろう。しかし、ジェフ本人には曖昧にバレているとは思っていないだろうな? 変なとこであいつは鈍いんだよなあ……。
「はいはい! シェリー、あんたの素直さは良いことよ? とりあえず……デート当日に、こっちの二人にも不自然じゃないように段取りを組んでもらわなきゃ。打ち合わせは大事よ?」
「う……打ち合わせ?」
「たしかに。普通じゃ、俺らも付いて行くか?」
特に、トラディスはリオーネには初訪問だ。
討伐依頼以外でも、ちょくちょく出掛けてはいるが……大抵俺とかジェフが一緒だしなあ?
そのトラディスとは別行動にさせねぇと、シェリーとジェフは二人きりになれねぇ。
「僕らの事は気にせずに。シェリーさんは、ジェフさんと楽しんできなよ。で、頑張って告白しちゃって!」
「え~~!?」
我が弟ながら……素直な意見過ぎだ。
女が出来た試しはないが……ジェフや俺と出会った、あのダンジョン攻略で世話になったマシュ嬢ちゃんとは今でも魔法蝶でやり取りしてるらしいが。恋……には、発展してないだろうな?
とりあえず……シェリーはまだ膝をついたまま立ち上がれなかった。トラディスがある意味トドメ刺したしな?
「まあまあ。いきなり告白は大変でしょうけど……シェリーさん、トラディスさんも言ったように……デート、思い切って楽しんだ方が勝ちですよ?」
「…………うぅ」
家主のケントも、似た言葉を言ったが……どうやら、シェリーを頷かせる力はあった。似た雰囲気を持つ男二人にかかれば……まあ、頷くだろうな?
提案者のエリーも、満足したように頷いていた。
最初、魔眼で視た時は……追っかけか何かとも思いかけたが、リーダーのジェフの幼馴染みなのはすぐにわかり、お互いきちんと話し合った上で……ジェフは加入を認めた。
ま、関係以前に……『魔闘士シェリー』だと俺も分かったら、納得は出来たがな? 見た目は可愛い子ちゃんだが、実はとんでもねぇ実力者とくれば……俺も異論はなかった。
弟のトラディスは、新メンバーが増えるのには特に異論がなかったが。フランツの事を後でシェリーに教えても、特に引いてなかった。だから、ジェフの選択は正しかったと俺も納得出来たのだ。
そして……そのシェリーだが。
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俺の昔馴染みのBランク冒険者のエリーから、シェリーとジェフのデート計画に協力してくれないかと、魔法蝶を飛ばして来た。俺だけじゃなく、トラディスも来て欲しいと。
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ケントも計画を知っているんで、話し合うのに場所をそこにすることになった。俺はすぐにトラディスを連れて向かったが。
「な、ななな、なんで、二人にも!?」
シェリーには、俺とトラディスが事情を知っているのを知らなかったのか……物凄く慌てていた。
「……お前がわかりやすいぞ」
魔眼越しの心情抜きにしても……ひと目でわかったくらいだ。トラディスは違ったようだが、知っていることを告げたら……氷が溶けるようにシェリーは床の上にへたり込んだ。
「え、え、え?」
そんなに自分の気持ちが周囲にバレているとは思わなかっただろう。しかし、ジェフ本人には曖昧にバレているとは思っていないだろうな? 変なとこであいつは鈍いんだよなあ……。
「はいはい! シェリー、あんたの素直さは良いことよ? とりあえず……デート当日に、こっちの二人にも不自然じゃないように段取りを組んでもらわなきゃ。打ち合わせは大事よ?」
「う……打ち合わせ?」
「たしかに。普通じゃ、俺らも付いて行くか?」
特に、トラディスはリオーネには初訪問だ。
討伐依頼以外でも、ちょくちょく出掛けてはいるが……大抵俺とかジェフが一緒だしなあ?
そのトラディスとは別行動にさせねぇと、シェリーとジェフは二人きりになれねぇ。
「僕らの事は気にせずに。シェリーさんは、ジェフさんと楽しんできなよ。で、頑張って告白しちゃって!」
「え~~!?」
我が弟ながら……素直な意見過ぎだ。
女が出来た試しはないが……ジェフや俺と出会った、あのダンジョン攻略で世話になったマシュ嬢ちゃんとは今でも魔法蝶でやり取りしてるらしいが。恋……には、発展してないだろうな?
とりあえず……シェリーはまだ膝をついたまま立ち上がれなかった。トラディスがある意味トドメ刺したしな?
「まあまあ。いきなり告白は大変でしょうけど……シェリーさん、トラディスさんも言ったように……デート、思い切って楽しんだ方が勝ちですよ?」
「…………うぅ」
家主のケントも、似た言葉を言ったが……どうやら、シェリーを頷かせる力はあった。似た雰囲気を持つ男二人にかかれば……まあ、頷くだろうな?
提案者のエリーも、満足したように頷いていた。
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