85 / 603
第85話 イケメン?
しおりを挟む
だ……誰だろう?
敵意はあるように見えないし、ラティストが魔法を使ったりもしない。
その人は、僕らに見られていることに気づいていないのか……ヨダレ垂らしそうな、締まりのない表情をまだ続けている。
けど、少しして僕らに気づき、……すぐに窓から離れて、裏口をノックしてきたんだ。
「……俺が出るか?」
「ううん。僕が行くよ」
一応、僕が店長だから……対応出来るところはしなくちゃ。
ジェイドじゃないのは、ラティストの反応を見てわかるし……相手が人間なら、僕が頑張らなきゃ。
扉を開けると、さっきの男性がニコニコ笑顔のまま立っていた。
「……悪い。うまそうな匂いがしたもので」
さっきも思ったけど……イケメンさんだ。
背も結構高いし、紫の髪は癖っ毛だけど……それが顔を引き立てていると言うか。
兄貴系イケメンのジェフさんや、レイザーさんに負けないくらいだ。冒険者なのか、防具とかマントは身につけているし……表の準備中の看板は見たけど、匂いに釣られてこっちに来ちゃったみたいだ。
「えっと……いらっしゃいませ」
色々聞きたいことはあるけど、接客は忘れちゃいけないよね?
「……君が店主か?」
「あ、はい。ケントと言います」
「そうか。いや、不躾な態度をとって悪い。しかし……いい匂いがしたからな? 看板には準備中とあったもんで」
「……ポーションパンを買いにきてくれたんですか?」
「! ああ。知り合いに分けてもらったが、効果もだがめちゃくちゃ美味かった!! 俺も自分で買いに来たいと思ってな!」
と言って、僕の手を掴むと嬉しいのか上下にぶんぶん振ったのだった。
覗き見はしてたけど、純粋な興味からだったみたい?
「あ、ありがとうございます。……もう少しで、開店準備出来ると思うので」
「そうか! いや、勝手に覗いて悪かった。俺のことはエディと呼んでくれ! 見た感じ、タメっぽいから敬語もいいぞ?」
「え? い……いくつ?」
「十九だ!」
……イケメン神様。
ちょっとだけ、別の転生特典お願いすればよかった……童顔のままの日本人じゃなくて、普通に異世界の顔にしてもらえれば!!
「そ、そうなんだ。すぐ準備するから、表側で待っててくれる?」
「わかった。あとでな!」
と、爽やかに笑うエディは……ほんとにイケメンさんだよ。
けど、顔どうこうで性格が出るわけじゃないし。
特別個性がおかしいわけじゃないから……いいかな?
ラティスト達にも説明してあげると、『わかった』とだけ言ってすぐに午後の準備に。
チーズ蒸しパンには『骨折完治』『裂傷完治』『体力増大』とか色んな効果が付与され。
せっかくだから……エディにも食べてもらおうかなと準備してたんだけど。
「……やんのか?」
「あ゛あ!?」
看板を変えに行こうとしたら、表でエディがめちゃくちゃガラの悪い男の人達に向かって、メンチ切ってた……!?
敵意はあるように見えないし、ラティストが魔法を使ったりもしない。
その人は、僕らに見られていることに気づいていないのか……ヨダレ垂らしそうな、締まりのない表情をまだ続けている。
けど、少しして僕らに気づき、……すぐに窓から離れて、裏口をノックしてきたんだ。
「……俺が出るか?」
「ううん。僕が行くよ」
一応、僕が店長だから……対応出来るところはしなくちゃ。
ジェイドじゃないのは、ラティストの反応を見てわかるし……相手が人間なら、僕が頑張らなきゃ。
扉を開けると、さっきの男性がニコニコ笑顔のまま立っていた。
「……悪い。うまそうな匂いがしたもので」
さっきも思ったけど……イケメンさんだ。
背も結構高いし、紫の髪は癖っ毛だけど……それが顔を引き立てていると言うか。
兄貴系イケメンのジェフさんや、レイザーさんに負けないくらいだ。冒険者なのか、防具とかマントは身につけているし……表の準備中の看板は見たけど、匂いに釣られてこっちに来ちゃったみたいだ。
「えっと……いらっしゃいませ」
色々聞きたいことはあるけど、接客は忘れちゃいけないよね?
「……君が店主か?」
「あ、はい。ケントと言います」
「そうか。いや、不躾な態度をとって悪い。しかし……いい匂いがしたからな? 看板には準備中とあったもんで」
「……ポーションパンを買いにきてくれたんですか?」
「! ああ。知り合いに分けてもらったが、効果もだがめちゃくちゃ美味かった!! 俺も自分で買いに来たいと思ってな!」
と言って、僕の手を掴むと嬉しいのか上下にぶんぶん振ったのだった。
覗き見はしてたけど、純粋な興味からだったみたい?
「あ、ありがとうございます。……もう少しで、開店準備出来ると思うので」
「そうか! いや、勝手に覗いて悪かった。俺のことはエディと呼んでくれ! 見た感じ、タメっぽいから敬語もいいぞ?」
「え? い……いくつ?」
「十九だ!」
……イケメン神様。
ちょっとだけ、別の転生特典お願いすればよかった……童顔のままの日本人じゃなくて、普通に異世界の顔にしてもらえれば!!
「そ、そうなんだ。すぐ準備するから、表側で待っててくれる?」
「わかった。あとでな!」
と、爽やかに笑うエディは……ほんとにイケメンさんだよ。
けど、顔どうこうで性格が出るわけじゃないし。
特別個性がおかしいわけじゃないから……いいかな?
ラティスト達にも説明してあげると、『わかった』とだけ言ってすぐに午後の準備に。
チーズ蒸しパンには『骨折完治』『裂傷完治』『体力増大』とか色んな効果が付与され。
せっかくだから……エディにも食べてもらおうかなと準備してたんだけど。
「……やんのか?」
「あ゛あ!?」
看板を変えに行こうとしたら、表でエディがめちゃくちゃガラの悪い男の人達に向かって、メンチ切ってた……!?
57
お気に入りに追加
510
あなたにおすすめの小説

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした
メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました!
1巻 2020年9月20日〜
2巻 2021年10月20日〜
3巻 2022年6月22日〜
これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます!
発売日に関しましては9月下旬頃になります。
題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。
旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~
なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。
────────────────────────────
主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。
とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。
これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。
※カクヨム、なろうでも投稿しています。
元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。
九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。
異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。
人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。
もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。
「わたくし、魔王ですのよ」
そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。
元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。
「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」
果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。
無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。
これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!

暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる