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第74話 弟再び
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……ちょっと、困ったことが起きました。
「お願いします」
その言葉は全然困ったことじゃない。
だけど、その前にお客さんが口にした『内容』に……少し、いやだいぶ困ったんだ!
「ほ、本当にいいんですか?」
「はい、お願いします!」
その内容なんだけど。
たまたま……他のお客さんとかがいなくてよかったかもしれないが。
目の前の男性からお願いされたことは。
『全部一個ずつください!!』
って、超太っ腹発言されたんだよね!?
「あ、あの……お客様」
「はい?」
これ全部ひとりで食べるわけはないだろうけど……細身長身の好青年ぽいお兄さんは、ずっとキラキラした表情を僕に向けたままだ。
ラティストは今、裏でちょっと休憩に行かせているから……対応しているのは、僕ひとりだ。
そして、そのタイミングを見計らったかのように……今その注文をしてきたお兄さんがやってきた。
複数は全然いいんだけど……全部って、あのぶちゃいく貴族のおじさん以来の事だから驚いたんだよね?
あの人とは違うけど、ちゃんと言わなくちゃ!
「当店のポーションパン……ですが、薬品と違って食べ物なのと。効果が数日程度しか保ちません。亜空間収納の魔法は会得されていますか?」
「うん! あるよ!!」
きっぱり言い切ると言うことは、理解した上での無茶振り注文だと言うことか。
けど、やっぱりひとりだけだと会計とかが大変なので……申し訳ないけど、休憩してたラティストにヘルプをお願いしたんだけど。
「…………何をしているんだ」
と、お兄さんと顔を合わせるなり、何故かそんな対応をしたんだ。この感じに覚えがあるので……まさか、と僕はお兄さんを鑑定してみると。
『創始の大精霊が一角、ジェイド=イシュト=ガージェン』
って、ステータスが出たから、僕も思わず『あ!?』と指向けちゃった!!
「あ~あ、ちょっと驚かそうと思ったのに……兄さんには敵わないか?」
お兄さんこと、ジェイドは以前のように変装魔法を解くと……あの輝かんばかりのイケメン青年になった。困った様子はなくて、ニッコニコだったけど。
「い、いらっしゃい……」
とは言え、お客さんに変わりないから……改めて言葉をかけた。
「うん! で、ケント! 注文通り、全部一個ずつちょうだい!!」
「……え、本気?」
「僕だけじゃなくて、精霊側のリクエストなんだよ!! お金はちゃんと集めてきたから!!」
なるほど、それでその数。
僕が納得すると、ラティストも理解してくれたのか手分けして袋詰めと会計を分担することにした。
かなりの量になったけど、ジェイドがきちんとお金を払ってくれた後に、彼が亜空間収納らしき魔法でヒュンと全部消しちゃった。
「……お買い上げ、ありがとうございます」
「うん! 楽しみだなあ! 前、カウル? だっけ。ケントの獣魔がくれたあのお肉のも美味しかったな~!!」
「……一応、それも入っているよ」
「ほんと!!」
イケメン好青年の本気の笑顔は眩しいなあ……。
それ以上に美形のラティストは、食事以外だとあんまり笑顔見せないんだよね? ちょっともったいないけど。
「……父上は、何か言っていたか?」
ジェイドが帰ろうとする前に、ラティストが静かに声をかけた。怒っているとか困っている感じじゃない。
ジェイドはその質問に、にんまりと口を緩めた。
「大丈夫。『得たものがあるのなら、仕方がない』って渋々納得してたよ?」
「……そうか」
「うん。また来るね~!」
と、見た目は身軽だけど……亜空間収納にはたっぷりのパンを入れて、ジェイドは帰って行きましたとさ。
「お願いします」
その言葉は全然困ったことじゃない。
だけど、その前にお客さんが口にした『内容』に……少し、いやだいぶ困ったんだ!
「ほ、本当にいいんですか?」
「はい、お願いします!」
その内容なんだけど。
たまたま……他のお客さんとかがいなくてよかったかもしれないが。
目の前の男性からお願いされたことは。
『全部一個ずつください!!』
って、超太っ腹発言されたんだよね!?
「あ、あの……お客様」
「はい?」
これ全部ひとりで食べるわけはないだろうけど……細身長身の好青年ぽいお兄さんは、ずっとキラキラした表情を僕に向けたままだ。
ラティストは今、裏でちょっと休憩に行かせているから……対応しているのは、僕ひとりだ。
そして、そのタイミングを見計らったかのように……今その注文をしてきたお兄さんがやってきた。
複数は全然いいんだけど……全部って、あのぶちゃいく貴族のおじさん以来の事だから驚いたんだよね?
あの人とは違うけど、ちゃんと言わなくちゃ!
「当店のポーションパン……ですが、薬品と違って食べ物なのと。効果が数日程度しか保ちません。亜空間収納の魔法は会得されていますか?」
「うん! あるよ!!」
きっぱり言い切ると言うことは、理解した上での無茶振り注文だと言うことか。
けど、やっぱりひとりだけだと会計とかが大変なので……申し訳ないけど、休憩してたラティストにヘルプをお願いしたんだけど。
「…………何をしているんだ」
と、お兄さんと顔を合わせるなり、何故かそんな対応をしたんだ。この感じに覚えがあるので……まさか、と僕はお兄さんを鑑定してみると。
『創始の大精霊が一角、ジェイド=イシュト=ガージェン』
って、ステータスが出たから、僕も思わず『あ!?』と指向けちゃった!!
「あ~あ、ちょっと驚かそうと思ったのに……兄さんには敵わないか?」
お兄さんこと、ジェイドは以前のように変装魔法を解くと……あの輝かんばかりのイケメン青年になった。困った様子はなくて、ニッコニコだったけど。
「い、いらっしゃい……」
とは言え、お客さんに変わりないから……改めて言葉をかけた。
「うん! で、ケント! 注文通り、全部一個ずつちょうだい!!」
「……え、本気?」
「僕だけじゃなくて、精霊側のリクエストなんだよ!! お金はちゃんと集めてきたから!!」
なるほど、それでその数。
僕が納得すると、ラティストも理解してくれたのか手分けして袋詰めと会計を分担することにした。
かなりの量になったけど、ジェイドがきちんとお金を払ってくれた後に、彼が亜空間収納らしき魔法でヒュンと全部消しちゃった。
「……お買い上げ、ありがとうございます」
「うん! 楽しみだなあ! 前、カウル? だっけ。ケントの獣魔がくれたあのお肉のも美味しかったな~!!」
「……一応、それも入っているよ」
「ほんと!!」
イケメン好青年の本気の笑顔は眩しいなあ……。
それ以上に美形のラティストは、食事以外だとあんまり笑顔見せないんだよね? ちょっともったいないけど。
「……父上は、何か言っていたか?」
ジェイドが帰ろうとする前に、ラティストが静かに声をかけた。怒っているとか困っている感じじゃない。
ジェイドはその質問に、にんまりと口を緩めた。
「大丈夫。『得たものがあるのなら、仕方がない』って渋々納得してたよ?」
「……そうか」
「うん。また来るね~!」
と、見た目は身軽だけど……亜空間収納にはたっぷりのパンを入れて、ジェイドは帰って行きましたとさ。
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