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第59話 次のポーションパン②

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 ラティスト達にも、ポーションパンのステータスを伝えると。


「でぇえええええ!?」

「……凄いな」


 対照的ではあったけど、ふたりとも物凄く驚いてくれた。

 カウルなんかは、ひっくり返って調理台の上から落ちちゃったんだもの。すかさず、近くにいたラティストがキャッチしてくれたからぺしゃんこにならず済んだけどね?


「……どうしよう」


 このカレーパンの使い道もだけど……このままだと、新作(?)を作る度に高性能のポーションパンが出来ちゃって、店頭販売出来なくなっちゃう。

 それは、僕よりも来店してくださるお客様達が哀しんでしまう。

 まだ開店して数日とは言え、リピーターとなったお客さん達の顔も覚えられるくらいだもん。

 気軽……とまではいかないけど、これじゃあポーションじゃなくて、エリクサーとか呼ばれている伝説上の回復薬ばっかりだ。

 もちろん、それが全部悪いわけじゃないけど。


「ケン兄さん? なんでがっかりするでやんすか?」

「……うん。これだと、お店で販売出来ないものばっかりだなって」

「……あー」


 カウルに説明すると、わかってくれたようだ。

 ラティストはと言うと……何故か目を閉じていて、何かを考えているようだった。すぐに、綺麗なルビーアイが開いたけど。


「……少し、掛け合ってきた」

「へ?」

「ん?」


 言っている意味がわからなくて、カウルと生返事をすると……ラティストはカウルを調理台の上に置いた。


「……あの阿呆に、いくらか自重しろと言ってきた」

「……あの阿呆?」


 その言い方、たしか……ラティストと契約した時も言っていたような?

 よーく思い出すと、僕よりも早くカウルが体をプルプルとさせて。


「ら……ラティスト、兄さん!? ま、まさか……か、神と!!?」

「……ああ。ケントのためを思って、思念だけ飛ばして言いくるめてきた」

「うぴー!?」


 つまり……テレパシーとかで、あのイケメン神様に……抗議してきたってことかな?

 だとすると……ラティストのこわーい、お説教のようなものを言い聞かされて……あの神様もカウルみたいにプルプルになったのかな?

 アナウンスとかは特にないけど……それなら、次のパンを作ってみよう。

 とその前に。


「せっかくだし、カレーパン食べよう?」

「……ああ」

「でやんす!!」


 ちょっとだけ冷めちゃったけど……皆で手分けして作ったから、絶対美味しいはずだ!!


「「いっただきまーす!!」」

「……いただく」


 僕はポーク、カウルはシーフード。

 ラティストはビーフ……と、いただきますをしてから、思いっきりかぶりついた!
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