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第57話 こちらのギルマスが
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ライスバーガーを試作したけど、問題がひとつあった。
「…………マジかよ」
ギルドはギルドでも……冒険者じゃない僕は、商業関係なので『生産ギルド』に管理や登録をしている身。
つまりは、ギルマスさんであるロイズさんの部下のひとりでもあるんだ。
新作が出来た時は、可能な限りはロイズさんに提案して販売を決めていくこと。
昨夜は、レイザーさん達を優先するのにライスバーガーを使ったけど……ロイズさんに提出すると、鑑定は鑑定でも『鑑定眼鏡』と言う特殊な魔導具で見ていただくと。
ロイズさんは、大きなため息を吐いたのです。
「……事実です」
昨夜の出来事も報告ついでに、僕はエリーちゃんと執務室のソファに腰掛けてから……レイザーさんの呪いを解いた事実を伝えたのだ。
「あたしも目の前で見たから、嘘じゃないわ」
「いや……それは疑わん。そっちじゃなく……このライスバーガーの効能だ」
「本当に……偶然、出来て」
「神からのご意向……ってのも、ケントが転生者の時点であり得るが」
それは、ないとは言い切れないや。
「ほとんどのライスバーガーには、解呪の効能が出ています。……お店だと難しいですよね?」
「……そうだな。オークションでもいつも以上に高値の設定にしねぇとな?」
「めちゃくちゃ美味しいのに……しょっちゅう食べれないのね?」
「エリーちゃんになら、いつでも作るよ?」
「やった!」
「そうじゃねぇ!?」
それはいつでも大歓迎、のつもりで言ったのに……ロイズさんからのツッコミがあった。本心なのになあ……エリーちゃんには、僕の職業を提案してくれた恩人なのに。
「だって、ロイズさん。そのライスバーガー、すっごく美味しいわよ? ひと口食べたら?」
「……たしかに。効能はあと二日だから……くわねぇといけないが」
「ほらほら、ひと口!」
さあさあ、と言わんばかりにエリーちゃんが勧めると……ロイズさんは、チキンの方を手に持って……勢いよく被りついた。
すると……どう言うことだろう?
ロイズさんの体が光った後に……ところどころあった、細かいシワが消えていく??
「……美味ぇ……!」
それに気づいていないロイズさんは、ライスバーガーを最後まで食べ終えてくれた。
ごっくんした後には……シワがほとんど消えていて、さらにカッコよくなった男前のロイズさんが出来上がってしまった!?
前が五十代くらいだから……軽く見ても、三十代くらい?
どゆこと??
「ろ、ロイズさん!? わ、若返……あ、呪い解けてる!!?」
「へ?」
「……あ?」
ロイズさんはエリーちゃんが叫んだ内容を聞くと、デスクから手鏡を取り出して……自分の顔を見ると、思いっきり紅い目を丸くした。
「だよね!? だよね!!?」
「マジだ。……呪いが解けていやがる!!?」
「……ロイズさん、呪いが??」
「ああ。昔冒険者だった時に、浴びたもんの関係でな。『老化の呪い』っつーもんだ」
つまり、若い頃冒険者だった時に……かかった呪いが今のライスバーガーを食べたことで解けたのかな?
「デジタルスライムって言う、カウルとは全然違うスライムがいるのよ。ロイズさんから聞いただけだけど、討伐した時に体液を浴びちゃって……普通より少し早い感じで老化する呪いを受けたそうなの」
「……ああ、数年で二十年分老けてたが」
「……今、実際おいくつですか?」
聞いていいか、恐る恐る挙手すると……ロイズさんはニカっと笑った。
「ちょうど、三十だ!」
「え!?」
僕とエリーちゃんの……十くらい上でしかなかったのぉ!!?
とりあえず……ライスバーガーは取り扱い重要ポーションとなったため、オークションのみでの販売となり。
僕はたくさんお金をもらえたけど……本来の外見に戻った、ロイズさんの笑顔が見れて本当に良かった。
「…………マジかよ」
ギルドはギルドでも……冒険者じゃない僕は、商業関係なので『生産ギルド』に管理や登録をしている身。
つまりは、ギルマスさんであるロイズさんの部下のひとりでもあるんだ。
新作が出来た時は、可能な限りはロイズさんに提案して販売を決めていくこと。
昨夜は、レイザーさん達を優先するのにライスバーガーを使ったけど……ロイズさんに提出すると、鑑定は鑑定でも『鑑定眼鏡』と言う特殊な魔導具で見ていただくと。
ロイズさんは、大きなため息を吐いたのです。
「……事実です」
昨夜の出来事も報告ついでに、僕はエリーちゃんと執務室のソファに腰掛けてから……レイザーさんの呪いを解いた事実を伝えたのだ。
「あたしも目の前で見たから、嘘じゃないわ」
「いや……それは疑わん。そっちじゃなく……このライスバーガーの効能だ」
「本当に……偶然、出来て」
「神からのご意向……ってのも、ケントが転生者の時点であり得るが」
それは、ないとは言い切れないや。
「ほとんどのライスバーガーには、解呪の効能が出ています。……お店だと難しいですよね?」
「……そうだな。オークションでもいつも以上に高値の設定にしねぇとな?」
「めちゃくちゃ美味しいのに……しょっちゅう食べれないのね?」
「エリーちゃんになら、いつでも作るよ?」
「やった!」
「そうじゃねぇ!?」
それはいつでも大歓迎、のつもりで言ったのに……ロイズさんからのツッコミがあった。本心なのになあ……エリーちゃんには、僕の職業を提案してくれた恩人なのに。
「だって、ロイズさん。そのライスバーガー、すっごく美味しいわよ? ひと口食べたら?」
「……たしかに。効能はあと二日だから……くわねぇといけないが」
「ほらほら、ひと口!」
さあさあ、と言わんばかりにエリーちゃんが勧めると……ロイズさんは、チキンの方を手に持って……勢いよく被りついた。
すると……どう言うことだろう?
ロイズさんの体が光った後に……ところどころあった、細かいシワが消えていく??
「……美味ぇ……!」
それに気づいていないロイズさんは、ライスバーガーを最後まで食べ終えてくれた。
ごっくんした後には……シワがほとんど消えていて、さらにカッコよくなった男前のロイズさんが出来上がってしまった!?
前が五十代くらいだから……軽く見ても、三十代くらい?
どゆこと??
「ろ、ロイズさん!? わ、若返……あ、呪い解けてる!!?」
「へ?」
「……あ?」
ロイズさんはエリーちゃんが叫んだ内容を聞くと、デスクから手鏡を取り出して……自分の顔を見ると、思いっきり紅い目を丸くした。
「だよね!? だよね!!?」
「マジだ。……呪いが解けていやがる!!?」
「……ロイズさん、呪いが??」
「ああ。昔冒険者だった時に、浴びたもんの関係でな。『老化の呪い』っつーもんだ」
つまり、若い頃冒険者だった時に……かかった呪いが今のライスバーガーを食べたことで解けたのかな?
「デジタルスライムって言う、カウルとは全然違うスライムがいるのよ。ロイズさんから聞いただけだけど、討伐した時に体液を浴びちゃって……普通より少し早い感じで老化する呪いを受けたそうなの」
「……ああ、数年で二十年分老けてたが」
「……今、実際おいくつですか?」
聞いていいか、恐る恐る挙手すると……ロイズさんはニカっと笑った。
「ちょうど、三十だ!」
「え!?」
僕とエリーちゃんの……十くらい上でしかなかったのぉ!!?
とりあえず……ライスバーガーは取り扱い重要ポーションとなったため、オークションのみでの販売となり。
僕はたくさんお金をもらえたけど……本来の外見に戻った、ロイズさんの笑顔が見れて本当に良かった。
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