スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第53話 新たな魔眼

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(え~……えぇえ??)


 レイザーさんに何か起きたのか、僕を含めほとんどの人達はわからなかったけど。

 光が消えた後。

 トラディスさんが、レイザーさんに抱きついた後に……レイザーさんから出てきたらしい『呪いの根源』。

 トラディスさんが背負っている、フランスパンの魔剣である『フランツ』さんがそう言ったんだよね?

 で、不用意に触れない空気になったら……フランツさんが、レイザーさんがまだ持っていたライスバーガーの食べかけを根源である球体に乗せたら、と指示して……根源ごとライスバーガーが消えちゃった!?

 僕とかカウルが作った、ポーションのパンってどこまでチートアイテムな訳ぇ!!?


『これで、大丈夫や』


 ひとり(?)納得しているフランツさんは、鼻息を荒げた言い方をしたけど……とりあえず、ポーションパンはお役に立てたのかな?


「え……えぇえ!?」


 そのあとに、第一声を口にしたのは……シェリーさんだった。

 何がなんだかと慌てる様子は可愛らしかったが、すぐにエリーちゃんから肩を叩かれていた。


「落ち着きなさいよ。レイザーの魔眼、呪いが消えたそうよ?」

「は……はい。す、凄い……ですね、店長さんのポーションパン」

「ケントだもの? 君の抱えていた問題も解決しそうでしょ?」

「……そうでした」

「つーか、お前すげぇな!?」



 僕が、ちょっとホッとしていると……思いっきり背中を叩かれた。昼間と同じく、レイザーさんに叩かれたのだった。


「い゛!?」

「しかもあれだ! 呪いだけ取り除いて、スキルだけはそのままってのもだ!!」

「「「「「「へ?」」」」」


 魔眼って存在はまだ残っている?

 慌てて、僕も鑑定で閲覧してみると……たしかに、魔眼のスキルというか、これは加護?

 なんか、不思議な称号があるんだけど。


「…………真偽の魔眼?」


 という称号が見えたんだよね?


「あ? お前、鑑定持ちか?」

「あ、はい。すみません、勝手に見て」

「良いって。その称号は聞いたことはねーが……これからも役に立つってことか?」


 眼帯を外すと……もともとあった緑の瞳とは真逆で、こちらは紫だった。


「……お兄さん、大丈夫?」

「おう。変な感じは一切しねぇ。つか、使用時以外でこっちの目が見えるのは何年ぶりだ?」


 視力まで戻ったとは……。

 イケメン神様、まだ営業して間も無いのに……とんでもない功績を僕らは作ってしまったみたい。お役に立てたのは嬉しいけど……。


「ってことは、『魔眼のレイザー』の異名はこれまで通りか?」

「ああ。性能は戦闘で確かめねーとわからんが。呪いが消えた分、効果が変わっているだろうな?」

「え、えーと……実は」


 僕が挙手すると、ジェフさんとレイザーさんがこっちを向いてくれた。


「「……まさか」」

「はい。能力はこれまでのも残してあると、鑑定に」


 本当に、都合の良いものは残すって……ポーションパンでもどこまでチート存在なのだろう?
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