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第49話『ライスバーガー作り』①
しおりを挟む「あ、ご飯」
僕がそう言うと、カウル以外の全員のお腹が可愛らしく音を立てちゃったんだよね?
だから、エリーちゃんは顔を真っ赤にさせたし。ラティストはさらに無表情に。僕は、多分エリーちゃんと同じかな? ちょっと恥ずかしかったから。
「うう……今日も食べ損ねてたし」
「うちで食べてく?」
「! いいの?」
「報告お疲れ様だし。まだ材料も追加出来る段階だから」
「手伝うわ!」
「ありがとうー」
包丁の扱いにはあんまり慣れていないらしいから……ライスバーガーのメインとなるバンズ作りを手伝ってもらうことにした。
少し冷ましたご飯に調味料とか混ぜて、平たくしたのを。
「……焼いちゃうの?」
エリーちゃんは目を丸くしながら、僕が最初お手本を見せるのに焼いた作業にびっくりしていた。
「そう。繋ぎに片栗粉使ったでしょー? そのまま食べると粉っぽくなっちゃうんだ。焼くと熱で溶けて、いい感じになるんだよ」
「ふーん? それもケントがいたとこじゃ普通の技術?」
「わりかし、そうだったね?」
水溶き片栗粉もだけど、とろみと繋ぎの効果を出すってわかった人達もすんごい。
僕なんて、まだまだそれを模倣しているだけしか出来ないもん。
お手本に焼いたバンズには、軽くお醤油でこげめをつけたので……これだけでも焼きおにぎりぽくなるけど、今日はライスバーガーだから食べない。
かき揚げ用のお野菜が準備出来たら、次は……!
「「肉??」」
「コットのお肉だよ、脚肉」
コットと言うのは、大型のニワトリらしい魔物。
刺激を与えなければ、基本的におとなしく……良質な卵もだけど、捌けばいいお肉になるそうで。家畜として、農家では繁殖させているんだって。
だから、市場でも普通に手に入るから……ポーションのパンには、照り焼きチキンサンドなどで提供しているんです。
今回はこれを……焼くのではなく。
「……揚げるのか?」
下ごしらえを見て、ラティストもだいたいわかったのか……僕は作業しながら相槌をした。
「これをねー? とーっても美味しい、チキン竜田にしちゃうんだ!!」
「「「タツタ??」」」
「揚げ物の呼び名……かな? パン粉じゃなくて、片栗粉で衣作るんだけど……クリスピーって食感がたまんないんだよ!!」
「「「ゴクリ」」」
言葉だけだけど……胃袋つかんじゃったかな?
「あとね? お野菜の方も天ぷらって揚げ物だから……サクサクで甘辛いタレとの相性が」
「ケント! 我慢できないから、早く作りましょう!?」
「う、うん」
ラティストの半分顔面崩壊もだけど……言葉での飯テロ攻撃でエリーちゃんも我慢出来なくて、僕の肩を強く揺さぶってきたのだ。
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