34 / 603
第34話 開店準備
しおりを挟む
僕が転生してから、だいたい二週間くらい経った頃には。
僕とカウルとラティスト。
僕ら三名のお店と住居……つまり、パン屋が開店出来る準備が整うことが出来た!!
日本感覚でも早いとは思うけど……ラティストを取り込んでたレイスとやらは、別に物を壊していたわけじゃなかったみたいでほとんどの家具とかは綺麗なままだった。
だから、肝心の厨房……そこは僕の『オープンキッチン』を展開させればいいから大丈夫。
住む部屋については、二階が住居スペースになってたので掃除すれば全然大丈夫だった。引越しも僕は特に荷物もなかったし、食材のほとんども収納魔法の中に入れちゃっているから。
「おーい、看板持ってきたぞー」
けど、清潔は第一だと……引越し当日も全員であちこち掃除をしていると、ロイズさんが看板を持ってきてくれた。
「ありがとうございます、ロイズさん」
「いいってことよ。……随分と綺麗になったな?」
「カウルとラティストのお陰です」
カウルはもともと、ゴミとかチリを栄養源にしていたから……そう言うのは食べてくれていたし。
ラティストは、仕上げの磨きとかを魔法でちょちょいと。あんまり魔法頼りもよくないので、本当に仕上げだけだ。今は、あの特徴的な黒いマントなどの服装じゃなく、僕のような普通のシャツとズボンを着ている。それだけでも、まぶしいくらいのイケメンオーラは隠せていないけどね?
「つか、ほんとにこれで良かったのか?」
ロイズさんが持っていた看板を僕らに見せてくれたんだけど……ちゃんと、僕のリクエスト通りに仕上がっていた。
「はい、大丈夫です」
「『スバル』って初めて聞くが……それも異世界の言葉か?」
「星の名前なんです」
日本に居た頃は、例の友人経由でよく聞いた言葉だった。
漫画、小説もだが、アニメや映画だったり。名前でもあったけど、滅多につけられない。僕の名前の漢字も珍しいけど……珍しいポーションのパン屋だから、ちょっとカッコつけた名前にしたかったんだ。
「星か……たしかに、星の導きもあってここが出来たが」
「『統べる』って意味もあって……色々縁もあって集まった僕らにはぴったりかと」
「ほー? そうか」
早速、かけてみようと僕は一度受け取ったけど……踏み台がないと無理だったので、ラティストに交代してかけてもらった。
「おー!」
「でやんすー!」
金属製の看板には、『ポーションパン屋 スバル』とこちらの世界の言葉で書かれていた。シンプルだけど、カッコいい看板にテンションが上がらないわけがない!!
ぴょんと跳んだカウルを抱っこして、お互いに嬉しさを噛み締めていると……ロイズさんには頭をぐりぐり撫でられた。
「頼むぜ? お前らで捌けられねぇ分のポーションパンは……俺んとこのオークションで今まで通りに売ってやる。今日の分はあるか?」
「はい、もちろん!」
ひとまずは、惣菜パンを中心に作って……軽く梱包もしたので、ロイズさんの収納魔法の中に入れてもらい。
彼が帰った後は、看板を下ろして中に戻ることにした。
「いよいよでやんすねぇ?」
休憩も兼ねて、ティータイムをしているとカウルがしみじみと頷いていた。
「……そうだな。きちんと住む場所も出来たのだから、これから忙しいだろう」
「だね。二人にはたくさん頼っちゃうけど」
「どんと来いでやんす!」
「……技術はともかく、なんでも使ってくれ」
「ありがとうー」
転生もだけど、こんな短期間で……夢だったパン屋を開くことが出来るだなんて思っていなかった。
そのパンがアイテムになるのも驚いたが、きちんと生活するのもだけど……あのイケメン神様との約束通りに、この世界でのポーションの普及を頑張らなきゃ!!
僕とカウルとラティスト。
僕ら三名のお店と住居……つまり、パン屋が開店出来る準備が整うことが出来た!!
日本感覚でも早いとは思うけど……ラティストを取り込んでたレイスとやらは、別に物を壊していたわけじゃなかったみたいでほとんどの家具とかは綺麗なままだった。
だから、肝心の厨房……そこは僕の『オープンキッチン』を展開させればいいから大丈夫。
住む部屋については、二階が住居スペースになってたので掃除すれば全然大丈夫だった。引越しも僕は特に荷物もなかったし、食材のほとんども収納魔法の中に入れちゃっているから。
「おーい、看板持ってきたぞー」
けど、清潔は第一だと……引越し当日も全員であちこち掃除をしていると、ロイズさんが看板を持ってきてくれた。
「ありがとうございます、ロイズさん」
「いいってことよ。……随分と綺麗になったな?」
「カウルとラティストのお陰です」
カウルはもともと、ゴミとかチリを栄養源にしていたから……そう言うのは食べてくれていたし。
ラティストは、仕上げの磨きとかを魔法でちょちょいと。あんまり魔法頼りもよくないので、本当に仕上げだけだ。今は、あの特徴的な黒いマントなどの服装じゃなく、僕のような普通のシャツとズボンを着ている。それだけでも、まぶしいくらいのイケメンオーラは隠せていないけどね?
「つか、ほんとにこれで良かったのか?」
ロイズさんが持っていた看板を僕らに見せてくれたんだけど……ちゃんと、僕のリクエスト通りに仕上がっていた。
「はい、大丈夫です」
「『スバル』って初めて聞くが……それも異世界の言葉か?」
「星の名前なんです」
日本に居た頃は、例の友人経由でよく聞いた言葉だった。
漫画、小説もだが、アニメや映画だったり。名前でもあったけど、滅多につけられない。僕の名前の漢字も珍しいけど……珍しいポーションのパン屋だから、ちょっとカッコつけた名前にしたかったんだ。
「星か……たしかに、星の導きもあってここが出来たが」
「『統べる』って意味もあって……色々縁もあって集まった僕らにはぴったりかと」
「ほー? そうか」
早速、かけてみようと僕は一度受け取ったけど……踏み台がないと無理だったので、ラティストに交代してかけてもらった。
「おー!」
「でやんすー!」
金属製の看板には、『ポーションパン屋 スバル』とこちらの世界の言葉で書かれていた。シンプルだけど、カッコいい看板にテンションが上がらないわけがない!!
ぴょんと跳んだカウルを抱っこして、お互いに嬉しさを噛み締めていると……ロイズさんには頭をぐりぐり撫でられた。
「頼むぜ? お前らで捌けられねぇ分のポーションパンは……俺んとこのオークションで今まで通りに売ってやる。今日の分はあるか?」
「はい、もちろん!」
ひとまずは、惣菜パンを中心に作って……軽く梱包もしたので、ロイズさんの収納魔法の中に入れてもらい。
彼が帰った後は、看板を下ろして中に戻ることにした。
「いよいよでやんすねぇ?」
休憩も兼ねて、ティータイムをしているとカウルがしみじみと頷いていた。
「……そうだな。きちんと住む場所も出来たのだから、これから忙しいだろう」
「だね。二人にはたくさん頼っちゃうけど」
「どんと来いでやんす!」
「……技術はともかく、なんでも使ってくれ」
「ありがとうー」
転生もだけど、こんな短期間で……夢だったパン屋を開くことが出来るだなんて思っていなかった。
そのパンがアイテムになるのも驚いたが、きちんと生活するのもだけど……あのイケメン神様との約束通りに、この世界でのポーションの普及を頑張らなきゃ!!
48
お気に入りに追加
498
あなたにおすすめの小説
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!
りーさん
ファンタジー
ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。
でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。
こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね!
のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
続・異世界温泉であったかどんぶりごはん
渡里あずま
ファンタジー
異世界の街・ロッコでどんぶり店を営むエリ、こと真嶋恵理。
そんな彼女が、そして料理人のグルナが次に作りたいと思ったのは。
「あぁ……作るなら、豚の角煮は確かに魚醤じゃなく、豆の醤油で作りたいわよね」
「解ってくれるか……あと、俺の店で考えると、蒸し器とくれば茶碗蒸し! だけど、百歩譲ってたけのこは譲るとしても、しいたけとキクラゲがなぁ…」
しかし、作るにはいよいよ他国の調味料や食材が必要で…今回はどうしようかと思ったところ、事態はまたしても思わぬ展開に。
不定期更新。書き手が能天気な為、ざまぁはほぼなし。基本もぐもぐです。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
やり直しの人生では料理番の仕事に生きるはずが、気が付いたら騎士たちをマッチョに育て上げていた上、ボディビルダー王子に求愛されています!?
花房ジュリー②
ファンタジー
※第17回ファンタジー小説大賞エントリー中。応援お願いします!
※2024年8月改稿済み。
貧乏子爵令嬢のビアンカは、社交界デビューするも縁に恵まれず、唯一見初めてくれたテオと結婚する。
ところがこの結婚、とんだ外れくじ! ビアンカは横暴なテオに苦しめられた挙げ句、殴られて転倒してしまう。
死んだ……と思いきや、時は社交界デビュー前に巻き戻っていた。
『もう婚活はうんざり! やり直しの人生では、仕事に生きるわ!』
そう決意したビアンカは、騎士団寮の料理番として就職する。
だがそこは、金欠ゆえにろくに栄養も摂れていない騎士たちの集まりだった。
『これでは、いざと言う時に戦えないじゃない!』
一念発起したビアンカは、安い食費をやりくりして、騎士たちの肉体改造に挑む。
結果、騎士たちは見違えるようなマッチョに成長。
その噂を聞いた、ボディメイクが趣味の第二王子・ステファノは、ビアンカに興味を抱く。
一方、とある理由から王室嫌いな騎士団長・アントニオは、ステファノに対抗する気満々。
さらにはなぜか、元夫テオまで参戦し、ビアンカの周囲は三つ巴のバトル状態に!?
※小説家になろう様にも掲載中。
※2022/9/7 女性向けHOTランキング2位! ありがとうございます♪
秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!
中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。
※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる