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第22話 異世界での生活は
しおりを挟む「ごちそうさまでした」
異世界での生活、二日目? ほぼ一日半?
昨日は、いきなり転生して色々あったけど……。
僕とカウル、あと最後に仲間となったラティストは……生産ギルドのマスターであるロイズさんの指示で、ちょっとした高級宿に寝泊まりさせていただいていた。
これから……あのパン屋さんを再オープンしようにも、お金の工面とか色々あるので。それまでは、ちょっとだけこのお宿で待機していてほしいとのこと。
街の観光とかは、今日エリーちゃんが来てくれるので大丈夫。
それまで、僕はカウル達とのんびり朝ご飯タイムを満喫していた。
「……美味しかった~」
夕飯もだったけど、転生したから異世界のご飯って初めてで。
でも、味覚の違いってあんまりないのかもって、ラノベ知識とかカウルとかの反応を見て思ったけど。
西洋風のご飯なのに、味付けは日本の洋食風。もしくは、日本でアレンジした西洋料理の味付けって感じだ。専門学校では調理コースもあったから……同級生に味見をお願いされることもあって、舌はそこそこ自信があるんだよね?
もちろん、こっちの料理はプロが作るから断然美味しいけど。
「ケン兄さんのそれって、癖でやんすか?」
テーブルにいる僕とは違い、カウルはカーペットの上で水を飲んでいた。カウルは一応僕の家族でも、テイムしたモンスター扱いだから……ご飯と言うか水でいいらしい。カウルも不満はないみたい。
「それ?」
「ごちそうさま、でやんす」
「……こっちじゃ言わない?」
『ないとは言い切れんが、慣習の違いだろう』
同じく、家族になったラティストは今も霊体化。
ラティストも基本的にはご飯を必要としないのと、目がつぶれるくらいのイケメンパワーで……従業員の女の人達を釘付けにさせてはいけないからと、ロイズさんに言われています。
実体化は借りているお部屋の中だけ。
これから一緒に生活していくのに、ちょっと不便を感じるが……まだ色々決定していない事があるから、我慢してって言われているわけです。
「そっか? 僕のいたとこでは、挨拶を重んじるところだったんだ。人に対しても、ご飯に対しても」
「ほーん?」
『ケントが儀礼を重んじるのはそのせいか?』
「育った環境もあるけど」
それが異世界だって、大声では言えないけどね?
「おはよー、ケント!」
そんな会話をしてたら、エリーちゃんがやってきた。
昨日とは違って、お家で身支度してきたから赤毛が艶々だった。
「おはよう。早いね?」
「今日はリオーネ案内だもの。ケントだけじゃ、あちこち行きたくて仕方ないでしょ?」
「……はい」
異世界の観光は……とにかく興味が尽きないので、うずうずしていたのは本当だ。エリーちゃんにも見抜かれるとは……よっぽど顔に出ていたのだろう。
「あ、そうそう。来る前にギルド通ってきたんだけど……凄かったわよ?」
「何が?」
「ケントのパンよ。オークションでも盛り上がったけど、効果も凄いって問い合わせ殺到。……あれは、リピート凄いわよ」
「おお……」
オークションの結果も気になるけど……もう全部売れたのかな?
パン屋再オープンのために、色々お金が必要なのと……世界初のポーションになるパンだから、破格の値段では売って欲しくない。
もちろん、僕らがこれから開くパン屋でもそれは十分注意するつもりだ。
「ロイズさんにもちょっと聞いたけど……お金の心配はしなくていいって。けど、次のパンが欲しいから……どこかで作ってと言われたけど」
「うーん。僕らのは、広いスペースがあれば作れるけど」
オープンキッチンをどこで展開させるか……街中だと目立つし、悩む。
すると、僕の前にいきなりステータス画面が出てきた!?
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